1965年東京都議会議員選挙

1965年東京都議会議員選挙について

1965年7月23日に行われた東京都議会議員選挙は、東京都議会の議員を全面改選するために実施された選挙です。この選挙は、都議会を揺るがす汚職事件の発覚と、それに伴う都民の不信感の高まりという異例の状況下で行われました。

選挙に至る背景

1965年3月、藤森賢三都議が贈収賄容疑で逮捕されたことをきっかけに、議長選挙を巡る汚職事件が次々と明るみになりました。小山貞雄議長や建部順元議長など、過去に議長を務めた議員たちが相次いで逮捕されるという異常事態となりました。さらに、許認可を巡る汚職事件では自民党の都議が逮捕・起訴されるなど、都議会全体が腐敗しているのではないかという疑惑が広がりました。これらの事件は「東京都議会黒い霧事件」と呼ばれ、都民の都議会に対する不信感は頂点に達しました。

こうした状況を受け、都議会の解散を求める声が都民の間で高まりました。社会党をはじめとする野党各党も都議会解散を要求し、5月24日には野党4党と労働組合などが参加する「都政刷新都議会解散リコール統一本部」が発足しました。6月5日には統一リコール運動が開始されましたが、自民党はリコールによる解散を回避するため、6月3日に制定・即時公布された「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」に基づき、6月14日の臨時本会議で都議会解散決議案を全会一致で可決、都議会は解散となりました。

選挙戦

解散後の選挙戦では、各党が「都政刷新」を旗印に激しい戦いを繰り広げました。選挙は7月8日に告示され、7月23日に投票が行われました。改選議席は120議席で、308人が立候補しました。

選挙結果

選挙の結果、都議会野党の社会党が第1党に躍進しました。一方、都知事与党である自民党は過半数を大きく下回り、第2党へと転落しました。公明党は擁立した候補者が全員当選を果たし、共産党も戦後の都議選で初めて2議席以上を獲得しました。前回選挙で議席を失っていた民社党も4議席を回復しました。投票率は58.58％で、前回選挙の67.85％を大きく下回る結果となりました。これは、一連の汚職事件に対する都議会への不信感が大きく影響したと考えられます。また、この選挙以降、非自民党系の政党が第1党を獲得したのは、2009年の都議選までありませんでした。

選挙結果を得票数で見た場合、自民党は依然として最多得票を獲得しましたが、得票率は前回選挙の48.2％から30.2％へと大幅に減少しました。社会党は前回とほぼ同じ得票率を維持し、公明党、共産党、民社党は前回を大きく上回る得票率を得ました。

選挙後の動き

この選挙以降、都議会議員選挙は統一地方選挙の一環としてではなく、独立した選挙として行われるようになりました。

1967年4月には、都知事選挙に便乗する形で補欠選挙が行われました。

各党の議席数

日本社会党
自由民主党
公明党
日本共産党
民社党
無所属

まとめ

1965年東京都議会議員選挙は、都議会の汚職事件を背景に、都民の政治に対する不信感が高まる中で行われた選挙でした。その結果、社会党が第1党となり、自民党が大きく議席を減らすという、それまでの都議会勢力図を大きく塗り替える選挙となりました。また、この選挙以降、東京都議会議員選挙は統一地方選挙から独立して行われるようになり、東京都の政治史においても重要な転換点となりました。

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