1967年の近鉄バファローズ

1967年の近鉄バファローズのシーズンレビュー

1967年の近鉄バファローズは、球団の歴史において特異なシーズンとなりました。この年、選手兼任監督の小玉明利が就任し、チームの再建を目指しました。近鉄は以前からBクラスに低迷しており、特に1964年からは3年連続で最下位に甘んじていました。小玉監督のもと、チームは新たなスタートを切ることになります。

チームの状況と監督就任

小玉明利は、近鉄の設立初期から在籍し、チームに対する知識と愛情を持っていました。この年、彼は選手としてのキャリアを維持しながら、監督業も担いました。開幕戦では前年の勝ち星を持つ鈴木啓示を先発投手に指名し、若手選手を起用することで新しい風を吹き込もうと試みました。チームは過去3年間と比べて比較的好成績を収めましたが、10月に東京との直接対決で敗れ、最下位脱出のチャンスを逃しています。

投手陣の成績

投手陣では、鈴木啓示がプロ初の20勝を挙げ、最終的には21勝を達成しました。ですが、彼はリーグ最多となる36本の被本塁打を記録してしまいます。さらに、佐々木宏一郎も14勝を挙げており、この年の投手陣はそれなりの力を示しましたが、被本塁打の多さが悩みの種となりました。

打撃陣の活躍

打撃面では、土井正博が円熟期を迎え、東映の張本勲と激しい首位打者争いを繰り広げました。また、カール・ボレスも来日2年目にしてチームトップの31本塁打を放ち、打撃陣はリーグで2位の打率を記録するなど好調でした。しかし、盗塁数はリーグ最下位に終わり、スピード感に欠ける攻撃が見られました。

監督退任と次なるステップ

選手兼任監督としての役割を果たし続けた小玉監督でしたが、1年の期限を迎えて辞任することになります。監督職を退いた後、彼は阪神に選手として移籍しました。その後、近鉄は新たに大洋の監督を務めていた三原脩を招聘し、体制を一新していくことになりました。

結論

1967年の近鉄バファローズは、小玉明利の下で新たな挑戦をしたシーズンでした。若手選手の起用やチーム成績の向上が見られましたが、最下位脱出は果たせませんでした。監督が変わり、次のシーズンに向けた再建が進む中、ファンの期待は膨らみます。

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