1968年の音楽

1968年の音楽: グループサウンズ全盛と時代の変化

1968年、日本の音楽シーンは活況を呈していました。グループサウンズ（GS）が隆盛を極め、若者文化を牽引した一方、フォークソングも新たな潮流として台頭。洋楽の影響も大きく、日本の音楽は多様な様相を呈し始めていました。本稿では、1968年の音楽界における出来事、ヒットチャート、主要アーティスト、そして音楽業界の動向を詳細に解説します。

グループサウンズ全盛期

ザ・タイガース、ザ・テンプターズといったGSが圧倒的な人気を誇り、音楽シーンを席巻しました。彼らの軽快なサウンドと派手なステージパフォーマンスは、多くの若者たちの心を掴みました。特にザ・タイガースの「花の首飾り」やザ・テンプターズの「エメラルドの伝説」などは、社会現象となるほどのブームを巻き起こしました。一方、中村晃子は「虹色の湖」でソロアーティストとして成功し、「一人GS」とも呼ばれる存在となりました。

フォークソングの台頭

アングラフォークシーンから生まれたザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」は、空前の大ヒットを記録しました。それまでアンダーグラウンドな存在だったフォークソングが、テレビの歌番組にも登場するなど、一気にメジャーなジャンルへと躍り出ました。この曲は、世相を反映した歌詞と軽快なメロディーが共鳴し、幅広い層から支持を獲得しました。

ムード歌謡と洋楽のヒット

ムード歌謡も流行し、多くの歌手にヒットをもたらしました。また、洋楽ではビートルズの「ヘイ・ジュード」、ポール・モーリアの「恋はみずいろ」などが日本でも大ヒット。日本の音楽チャートには、洋楽と邦楽が混在する様相を呈していました。ビルボード年間チャートでは、ビートルズ、ポール・モーリア、ボビー・ゴールズボロ、オーティス・レディング、ラスカルズがトップ5にランクイン。アメリカ音楽の強い影響力が見て取れます。

音楽業界の動き

1968年には、音楽業界にも大きな変化がありました。3月1日、米国CBSとソニーによる合弁会社「CBS・ソニーレコード株式会社」が設立され、日本の音楽業界の国際化が加速しました。11月4日には、長寿音楽番組として知られる『夜のヒットスタジオ』がフジテレビ系列で放送開始。この番組は、日本の音楽シーンを長年にわたって彩り続けました。年末には第10回日本レコード大賞が開催され、黛ジュンの「天使の誘惑」が大賞を受賞。また、第19回NHK紅白歌合戦も盛況のうちに幕を閉じました。

オリコン年間ランキング

オリコンが発表した1968年の年間シングルチャートTOP50を見てみると、邦楽と洋楽が混在していることが分かります。GS、フォーク、ムード歌謡など、多様なジャンルの楽曲がランクインしており、当時の音楽シーンの多様性がわかります。1位は千昌夫の「星影のワルツ」、2位はザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」でした。

主要アーティストと作品

この年は、数多くのアーティストが活躍しました。邦楽では、ザ・タイガース、ザ・テンプターズ、ザ・フォーク・クルセダーズ、そしてソロシンガーとして中村晃子などが人気を博しました。洋楽では、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ドアーズ、サイモン&ガーファンクルなど、多くの世界的アーティストの作品が日本でも発売され、大きな影響を与えました。

まとめ

1968年は、グループサウンズ全盛期、フォークソングの台頭、そして洋楽のヒットなど、日本の音楽史において重要な一年となりました。音楽業界の国際化も進み、多様化する音楽シーンの中で、多くのアーティストが活躍し、日本の音楽文化を大きく発展させました。この年は、日本のポップカルチャーが大きく花開いた転換期として記憶されています。

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