1968年ガルーダ・インドネシア航空CV-990墜落事故

1968年ガルーダ・インドネシア航空CV-990墜落事故

1968年5月28日、ガルーダ・インドネシア航空の892便、コンベアCV-990-30A-5型機が、ムンバイ（当時のボンベイ）のサンタクルズ国際空港を離陸直後に墜落するという痛ましい事故が発生しました。この事故により、乗員乗客29名全員と、地上の巻き添えとなった1名、計30名の尊い命が失われました。この事故は、CV-990型機にとって初の死亡事故として記録されています。

この892便は、ジャカルタを起点とし、ムンバイ、カラチ、カイロ、フィウミチーノを経由してアムステルダムへと向かう国際定期便でした。事故当日の夜間、CV-990型機はサンタクルズ国際空港を離陸しましたが、離陸からわずか5分後、複数のエンジンが故障に見舞われました。

機体は制御不能となり、ほぼ垂直に近い角度で地上へ激突。衝撃により機体は粉々に砕け散り、周辺地域に大きな被害をもたらしました。墜落地点となったビラルパダ村では、墜落の衝撃により村人1名が死亡、複数名が負傷するという二次的な被害も発生しました。

事故後、徹底的な調査が行われ、その結果、複数の、あるいはすべてのエンジンが、離陸直後に同時に故障したことが判明しました。その原因は、サンタクルズ国際空港での給油作業時に、誤って航空燃料ではなくベンジンが給油されたことによるものでした。これは、航空機が安全に飛行するために必要不可欠な燃料管理がずさんであったことを示しており、人為的なミスが重大な事故を引き起こすという典型的な例と言えます。

この事故は、航空業界における給油作業の重要性を改めて浮き彫りにしました。また、航空機の安全性確保には、機体の整備だけでなく、地上作業における厳格な手順の徹底と、人的エラーの防止が不可欠であることを強く認識させる出来事となりました。

この悲劇を二度と繰り返さないためにも、航空業界全体での安全対策の強化と、過去の事故から得られた教訓を常に意識し続けることが重要です。

関連項目

パンアメリカン航空112便墜落事故

参考

脚注はありません

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