カラチ

カラチの概要

カラチ（ウルドゥー語: کراچی‎、英語: Karachi）は、パキスタン南部に位置する同国最大の都市であり、アラビア海沿岸に広がっています。シンド州の州都として、カラチは世界的に見ても有名なメガシティの一つで、2016年の調査では、近郊を含む人口が2280万人を超え、世界で第7位の規模となっています。カラチは、1947年にパキスタンが独立した際に首都としての役割を果たしましたが、1960年に首都機能がイスラマバードに移転して以降、商業と金融の中心地としての地位を維持しています。

歴史

カラチの歴史は古く、バローチスタン地域に居住していたバローチ人が漁村を形成したことが起源です。この地区は、19世紀にイギリス植民地時代に大きな発展を遂げ、港や都市の整備が進められました。第二次世界大戦後、パキスタン独立時には多くのムスリムがインドから移住し、その影響で人口が急激に増加し、政治経済の中心地として機能するようになりました。しかし、急速な発展によって様々な社会経済問題にも直面することになりました。

現在のカラチ

今日のカラチは、インフラの整備や新たなビジネスの発展が進み、パキスタン全体の経済を牽引しています。カラチ都市圏は、約2000万人の人口を抱え、特に多様な文化が融合した都市として知られています。しかし、経済的な活況の裏には治安の悪化や、過去の民族紛争の影響も残っており、街の安全性についての懸念も存在しています。特に、イスラム過激派によるテロが問題視されており、2013年以降には多くの事件が報告されています。

地理と気候

カラチは西側にバローチスターン州を接し、北側にはリヤーリー川、南側にはマリール川が流れています。都市の中心部はこれらの川の間に位置しており、南には美しいアラビア海があります。気候は砂漠性ですが、降水量は特に多く、特に7月から9月のモンスーンの時期に集中しています。夏は非常に暑くなることがありますが、海から涼しい風が入るため、全体的には過ごしやすい気候を維持しています。

経済

カラチはパキスタンの経済の中心で、約30%の製造業を占めています。また、税収の大部分を担うなど、国の歳入に対する寄与も大きいです。輸出は主に繊維や自動車産業が多く、カラチ港は国内唯一の主要輸出港としての役割を果たしています。また、多国籍企業の本社が集まり、金融、保険業が発展しています。しかし、過去の政治的不安定さや民族間の衝突は、企業の流出を招く要因ともなっています。

人口と文化

カラチは多文化共生の象徴であり、ウルドゥー語を主に話すムハージル（インドからの移民）や、地元のシンド人が共存している他、アフガニスタンからの難民や外国からの移住者も多く、混沌とした文化が形成されています。宗教も多様で、主にイスラム教徒が多数を占めていますが、キリスト教徒やヒンドゥー教徒も存在します。クリケットは最も人気のあるスポーツで、公営の国立競技場が市の中心に位置しています。

交通

カラチは、ジンナー国際空港を中心に空の便が整備されており、国内外の移動が便利です。さらにカラチ港は国内の海運の中心地であり、鉄道ネットワークも充実しています。市内の交通手段としては「キンキラバス」が主要な運輸手段であり、多くの利用者に支持されています。

教育・文化

カラチは教育の面でも発展しており、カラチ大学など数多くの教育機関が存在します。新聞や出版業も盛んで、多くの媒体が市内に拠点を置いています。文化イベントも盛りだくさんで、地域の文化を影響与える様々な芸術活動が行われています。

以上のように、カラチはその多様性と経済的影響力を持つ一方で、治安や社会的な課題を抱えています。

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