1968年グルノーブルオリンピック

1968年グルノーブルオリンピック

1968年2月6日から2月18日まで、フランスのグルノーブルで冬季オリンピックが開催されました。この大会は「グルノーブル1968」として知られ、初めてオリンピックで公式なマスコットが登場したことでも特筆されます。また、記録映画『白い恋人たち』の舞台としても有名です。

大会の開催経緯

グルノーブルのオリンピック開催決定は、1964年1月28日にオーストリアのインスブルックで行われたIOC総会で決まりました。ここでは、3つの候補都市が投票で落選するという異例の展開を見せました。日本国内でも札幌や軽井沢、日光が候補に挙がっており、その中でグルノーブルが最終的に選ばれることとなりました。

マスコットについて

この大会で初めて登場したマスコット、その名もシュスは、デザイナーのマルク・ラファルグによりデザインされました。シュスはオリンピックを象徴する存在となり、多くのファンの心をつかみました。

大会ハイライト

次回の札幌オリンピックに向け、日本は過去最多の62名の選手を派遣しました。特に注目されたのは、1月28日に男子スピードスケート500mで世界新記録を樹立した鈴木惠一ですが、残念ながら8位に終わり、メダル獲得は逃しました。スキージャンプ90m級では藤沢隆選手が初め2位につけるものの、その後のジャンプで失敗し、18位に終わりました。

一方、アルペンスキーにおいては、地元フランスのスター選手ジャン＝クロード・キリーが滑降、大回転、回転のすべてで金メダルを獲得し、大会のヒーローとなりました。

実施競技と競技会場

オリンピックは数々の競技が行われました。開会式はスタッド・オランピック・ド・グルノーブルで、アルペンスキーはシャンルッス、アイスホッケーはプランター・ムニシパレ、クロスカントリーやスキージャンプはオトランなどで行われました。また、ボブスレーとリュージュはピステ・デ・ボブスレー・リュージュで開催され、スキージャンプ90m級はSaint-Nizier-du-Moucherotteで行われました。

メダリストの功績

金メダルを獲得した主要選手は、アルペンスキーのジャン＝クロード・キリー（フランス）が3冠を達成し、マリエール・ゴアシェルやナンシー・グリーン（カナダ）、そしてスピードスケートのエアハルド・ケラー（西ドイツ）やフィギュアスケートのペギー・フレミング（アメリカ）など、国際的な競技者が活躍しました。一方で、メダル争いは熾烈で、銀メダルや銅メダルを取った選手たちも多様な背景を持つ選手でした。

大会終了後の影響

大会が終了した後、日本ではフランス造幣局が製造した記念銀メダルが販売され、大きいもので9000円、小さいもので4000円と、幅広い層に人気を博しました。このオリンピックは、国際スポーツイベントの歴史に刻まれ、多くの人々に影響を与えました。

このように、1968年グルノーブルオリンピックは多くの伝説を生み出し、冬季オリンピックというイベントの発展に寄与した重要な大会と言えます。

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