1971年の映画

1971年の映画界の動向

1971年は、映画界において数々の重要な出来事が展開された年でした。特に、国内外の映画業界においては、新たな潮流が生まれたことが特筆されます。以下に、その年の主な出来事を振り返ります。

世界の映画界の動向

まず、国際的な映画活動について見てみましょう。6月3日、ワーナー・ブラザースとコロンビア・ピクチャーズが合併し、新たな映画制作の枠組みが形成されました。また、7月19日には、新藤兼人監督の作品『裸の十九才』がモスクワ国際[[映画祭]]で金賞を受賞しました。これは日本映画の国際的な評価を高めるきっかけとなりました。

さらに、10月にはディズニー・ワールドがフロリダにオープンし、映画産業とエンターテインメント業界への新たな影響が注目されました。また、同じく10月7日には、ウィリアム・フリードキン監督の『フレンチ・コネクション』が公開され、アカデミー賞を受賞するなど大きな成功を収めました。12月には、スタンレー・キューブリック監督の名作『時計じかけのオレンジ』も公開され、映画史に残る作品となりました。

日本の映画界の動向

一方で、日本映画界でも激しい変化が見られました。1月には、UA日本支社が希望退職者を募集し、興行の厳しさが明らかになりました。全国映画館の数が前年より減少し、入場者数も減少傾向にあったため、映画館経営は厳しさを増していました。また、1月1日に全面改正された著作権法が施行され、映画制作者にとって新たな法律的枠組みが必要とされる時代が訪れました。

東宝撮影所の改革も行われ、従業員の配置転換や契約の見直しが行われるなど、業界全体が変革の時期を迎えたことが伺えます。2月には、日本映画輸出振興協会が改称され、新たな業界団体としての活動を始めました。3月には大映が撮影所の機構改革を発表し、日活も劇場売却や製作中止に追い込まれるなど、各社が存続をかけた改革を進めなければならない状況にありました。

新たな映画ジャンルの誕生

1971年、特に注目すべきは、日活がロマンポルノの制作を始めた点です。これは日本における新たなジャンルの誕生を意味し、これまでとは異なる観客層を生むことにつながりました。また、大映は年間を通じて様々な映画を制作し続けましたが、11月には業務を全面停止し、業界に衝撃を与えました。

興行成績と映画料金

映画興行についても、1971年は多くの作品が公開され、興行収入も一定の成果を上げました。大人の入場料金は600円から700円に設定され、入場者数は約2億1675万人に達しました。この年は、特に『男はつらいよ』シリーズが高評価を得ており、興行成績に大きく寄与しました。

まとめ

1971年は、国内外で映画業界が大きな変革を迎え、新たなチャレンジが試みられた年といえるでしょう。さまざまな賞の受賞や新たな映画ジャンルの誕生、大手映画会社の動きは、今後の映画界の展開に大きな影響を及ぼしました。このような多様な出来事は、映画という文化の更なる発展に寄与するものとなりました。

もう一度検索