1972年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

1972年 ナショナルリーグ優勝決定戦：シンシナティ・レッズ vs ピッツバーグ・パイレーツ

1972年のメジャーリーグベースボール（MLB）ポストシーズンは、ナショナルリーグの覇者を決めるリーグ優勝決定戦から幕を開けました。シンシナティ・レッズ（西地区）とピッツバーグ・パイレーツ（東地区）が激突し、レッズが3勝2敗でパイレーツを破り、2年ぶり6回目のリーグ優勝を飾りました。

両チームは1970年にもリーグ優勝決定戦で対戦しており、今回が2度目の顔合わせとなります。レギュラーシーズンでは、レッズが12試合で8勝4敗とパイレーツをリードしていました。シリーズは、両者譲らず2勝2敗で最終第5戦へ。

劇的な幕切れとなった最終第5戦

最終第5戦、9回裏二死一・三塁の場面で、パイレーツの4番手投手ボブ・ムースが痛恨の暴投。三塁走者のジョージ・フォスターがホームに生還し、レッズがサヨナラ勝利でリーグ優勝を決めました。ポストシーズンでのサヨナラ暴投は、1927年のワールドシリーズ以来、実に45年ぶりの珍事でした。

しかし、レッズはワールドシリーズでアメリカンリーグ王者のオークランド・アスレチックスに3勝4敗で敗れ、1940年以来32年ぶり3度目のワールドシリーズ制覇はなりませんでした。

ロベルト・クレメンテのラストゲーム

このシリーズ最終第5戦は、パイレーツの偉大な外野手ロベルト・クレメンテにとって、現役最後の試合となりました。1972年12月29日にニカラグアで大地震が発生すると、クレメンテは被災地への救援物資輸送のため、自ら飛行機に搭乗。しかし、その飛行機が墜落し、クレメンテを含む乗員5人全員が犠牲となりました。野球界の英雄の悲劇的な最期は、世界中に衝撃を与えました。

試合結果詳細

1972年のナショナルリーグ優勝決定戦は以下の日程・結果で行われました。

第1戦：10月7日 スリー・リバース・スタジアム（ピッツバーグ）
第2戦：10月8日 スリー・リバース・スタジアム（ピッツバーグ）
第3戦：10月9日 リバーフロント・スタジアム（シンシナティ）
第4戦：10月10日 リバーフロント・スタジアム（シンシナティ）
* 第5戦：10月11日 リバーフロント・スタジアム（シンシナティ）

この年のナショナルリーグ優勝決定戦は、劇的な幕切れと、ロベルト・クレメンテの悲劇的な死という、忘れられない出来事が重なったシーズンとして、野球史に深く刻まれています。

Baseball-Reference.com（英語）
1972 National League Championship Series - IMDb（英語）

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