1972年の近鉄バファローズ

1972年の近鉄バファローズの軌跡

1972年の近鉄バファローズは、監督岩本尭の2年目のシーズンであり、新たな体制での挑戦が繰り広げられました。チームは前年と同様に3位という結果に終わったものの、いくつかの重要な変更が施され、さらなる成長を目指しました。特に、外部からの人材を迎えることにより打撃と守備の強化が図られました。

コーチ陣の刷新

この年、近鉄は西鉄OBの豊田泰光を一軍打撃コーチとして迎え入れ、さらに引退した阿南準郎を一軍守備走塁コーチに招聘しました。これにより、コーチ陣は一新され、選手たちに新たなスタイルや戦術が導入されることになりました。加えて、オフのドラフトでは佐々木恭介、羽田耕一、梨田昌孝の若手選手を獲得し、チーム全体の若返りと戦力の強化を図りました。

シーズン開始からの勢い

シーズンは順調にスタートし、エース鈴木啓示を中心とする投手陣がしっかりと機能しました。鈴木啓示をはじめ、佐々木宏一郎と清俊彦が力を発揮し、打線では土井正博、永渕洋三、小川亨がポイントを着実に取ることで、4月を首位で終了するという素晴らしい成績を収めます。しかし、5月以降は前年同様に阪急が首位を奪還し、南海や東映との2位争いが続きました。

競争の中での成長

シーズン後半、近鉄は南海や東映とのAクラス争いに突入し、競争が激化します。最終的には阪急に大差をつけられたものの、チームは貯金4を保ったままの2位でシーズンを終えました。この成績は選手たちの努力の賜物と言えるでしょう。投手陣では鈴木が180奪三振で最多奪三振を獲得し、清も19勝を上げる活躍を見せました。このふたりに加え、佐々木宏が10勝ながらリーグ最多の5完封を記録し、神部年男も13勝をマークするなど、先発の柱として期待に応える結果を残しました。

打撃陣の活躍と若手選手の起用

打撃陣では、一枝修平の移籍が大きな影響を与え、安井智規とともに二遊間を組むことで、攻撃のバランスが改善されました。彼らの活躍により、近鉄は3年ぶりの2位に大きく貢献したのです。選手たちの力が結集し、チーム全体のまとまりが強化されることで、より良い成績につながったことは間違いありません。

まとめ

1972年の近鉄バファローズは、監督岩本尭のもとで再編成を行い、選手たちの成長を遂げたシーズンでした。結果として、昨年と同じ3位にはなったものの、若手選手の起用やコーチ陣の刷新によって、チームの将来に希望を持たせる存在となりました。こうした挑戦は、今後のシーズンでのさらなる飛躍を期待させるものでした。

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