1976年モントリオールオリンピックのバスケットボール競技・女子日本選手団

1976年モントリオールオリンピック バスケットボール女子日本選手団

1976年にカナダ・モントリオールで開催された第21回オリンピック競技大会では、女子バスケットボールがこの回から正式種目として初採用されました。この歴史的な舞台に、日本女子バスケットボール代表チームが出場しました。日本代表は、前年の1975年にコロンビアで開催された女子世界選手権において、ナショナルチームとして過去最高の銀メダルを獲得するという輝かしい成績を収め、その勢いを駆ってオリンピックへの出場権を獲得しました。

チームは、世界選手権での快挙を成し遂げたメンバーをほぼそのままに編成されました。指揮官は尾崎正敏氏が監督として、石川武氏がコーチとしてチームを率いました。選手は以下の12名でした。

松岡智子
生井けい子
青山恵子
市川昌子
大木聖子
橋本マサ子
長直子
福井美恵子
森美代子
山田かがり
横山正枝
阿部和子

なお、このメンバーのうち松岡智子選手を除く全員が、前年の1975年世界選手権の代表選手でした。

モントリオールオリンピック本大会には、日本を含む6ヶ国が出場し、総当たり形式で順位を争いました。尾崎監督率いる日本代表「尾崎ジャパン」は、メダル獲得を目指して試合に臨みました。主な試合結果は以下の通りです。

対 アメリカ合衆国：84対71で勝利
対 カナダ：121対89で勝利
対 チェコスロバキア：62対76で敗北
対 ブルガリア：63対66で敗北
* 対 ソビエト連邦：75対98で敗北

大会序盤、日本は優勝候補の一角と目されていたアメリカ、そして開催国であるカナダを相手に連勝を飾るという快進撃を見せ、一気にメダル獲得への期待が高まりました。しかし、その後のチェコスロバキア、ブルガリア、そして最終的に金メダルを獲得したソビエト連邦といった強豪国との対戦では惜しくも敗れ、3連敗を喫しました。この結果、最終的に6ヶ国中5位という成績で大会を終えました。

チームとしての目標には届かなかったものの、この大会で特筆すべき個人成績を残した選手がいます。エースの生井けい子選手は、前年の世界選手権に続いて、このオリンピックでも得点王に輝くという偉業を達成し、その得点力を世界に示しました。

1976年のモントリオールオリンピックは、日本女子バスケットボールが初めて経験した五輪の舞台でした。この後、日本女子代表が再びオリンピックのコートに立つまでには長い年月を要することになります。次回のオリンピック出場は、1996年のアトランタオリンピックまで待たなければならず、その間、実に20年もの歳月が流れました。モントリオールでの経験は、その後の日本女子バスケットボール界にとって、貴重な財産となったと言えるでしょう。

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