1978年のロッテオリオンズ

1978年のロッテオリオンズシーズンレビュー

1978年のロッテオリオンズは、金田正一監督にとって6年目のシーズンであり、新たに川崎球場を本拠地として迎えました。この年のチームは、以前の「ジプシー球団」という状況から脱却し、地元のファンに支えられる新たなスタートを切りました。前年のプレーオフでは阪急に敗れ、優勝を逃したチームは、新たなメンバーとして二冠王レロン・リーの弟であるレオン・リーを迎え入れました。また、有藤通世や山崎裕之という実力派打者たちも加わり、強力打線を形成することとなりました。さらに前年に南海の監督を解任された野村克也氏が「生涯一捕手」を宣言し、チームに参加しました。

シーズン前の予想では、ロッテオリオンズは阪急と並んで優勝候補とされていました。開幕戦では期待に応え、4月中旬には7連勝を達成。首位を行く阪急と激しい首位争いを繰り広げ、5月14日にはわずか0.5ゲーム差に迫りました。しかし、その後の直接対決に敗れたことが影響し、チームは失速。シーズン途中の6月には、4度の引き分けを挟む15連敗という痛恨の結果を味わい、一時は5位まで降下しました。前期が終了するころには、チームの状況は厳しいものになっていました。

後期に入ると、7月中旬まで上位に留まっていましたが、7月18日の阪急戦で23得点を奪われる惨敗を喫します。これが引き金となり、4連敗を経てBクラスに転落。その後も8月には8連敗を経験し、8月31日には前の本拠地である宮城球場で阪急の今井雄太郎に完全試合を達成されてしまいました。9月27日には再び今井に完投負けを喫し、阪急に優勝を決定づけられる結果となりました。こうした苦しい展開が続く中で、ロッテは後期終盤に盛り返し、最終的には借金1の3位でシーズンを終えましたが、通算成績では日本ハムに0.5ゲーム差及ばず、結局4位という結果となりました。

シーズン終了後、金田監督は自身の責任を取る形で辞任し、球団取締役としての非常勤役に就くこととなりました。また、主力選手である山崎や金田留広、渡辺秀武が次々とチームを去り、野村も新監督の要請を断る形でロッテを退団しました。

この年のオールスターゲームも行われましたが、阪急が前後期完全優勝を果たしたため、プレーオフは行われず、ロッテオリオンズには厳しいシーズンとなりました。特に渡辺秀武選手にとっては、移籍後に「全球団勝利」を達成するチャンスがあったものの、日本ハム戦に敗れ、さらにはオフには広島東洋にトレードされるなど、目立った活躍にはつながりませんでした。

1978年のロッテオリオンズは、多くの選手が活躍しつつも、運に恵まれない結果が続き、ファンにとっても忘れがたいシーズンとなりました。それでも後々の球団再建への道筋を感じさせる出来事も多く、今後の成長に期待が寄せられました。

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