1978年の航空

1978年は、航空史において重要な出来事が数多く発生した年でした。この年、航空業界は技術革新と悲劇的な事故、そして規制緩和という転換期を迎えました。

航空事故と悲劇

1月1日、エア・インディア855便のボーイング747-237Bがボンベイ沖のアラビア海に墜落し、213名もの命が失われるという痛ましい事故が発生しました。この事故は、新年早々、航空業界に衝撃を与えました。

2月22日には、サンディエゴ航空宇宙博物館が放火により、歴史的に貴重な航空機材が失われました。文化遺産が破壊されたこの事件は、社会に大きな悲しみをもたらしました。

さらに、4月20日には、大韓航空機がソ連領空を誤って侵犯したため、ソ連防空軍機による攻撃を受けました。この事件で、乗客に死傷者が出ました。国際的な緊張が高まる中での出来事でした。

そして、9月25日には、サンディエゴ国際空港に着陸しようとしていたボーイング727-214が、訓練飛行中のセスナ機と衝突し、乗員乗客137人全員と地上の7人が亡くなるという大惨事となりました。この事故は、航空機の安全対策について改めて考えさせられるきっかけとなりました。

技術革新と挑戦

一方で、1978年は航空技術の進歩も目覚ましい年でした。3月10日には、フランスの戦闘機ミラージュ2000が初飛行し、その高性能ぶりで世界を驚かせました。

また、5月20日には、マクダネル・ダグラスが5000機目のF-4ファントムII戦闘機を納入しました。この戦闘機は、20年にわたり多くの国で運用され、航空史にその名を刻みました。

5月9日には、デイビッド・クックがエンジン付きハンググライダーでドーバー海峡を横断するという快挙を成し遂げました。

8月12日から17日にかけては、ベン・アブラッゾ、マキシー・アンダーソン、ラリー・ニューマンが気球ダブルイーグルII号で大西洋横断に成功し、滞空時間と飛行距離の世界新記録を樹立しました。この偉業は、人々の冒険心を掻き立てました。

11月8日には、ボンバルディア チャレンジャー600が初飛行し、ビジネスジェットの新たな時代を切り開きました。

さらに、11月18日には、米国の戦闘機、F/A-18 ホーネットが初飛行し、高い多用途性でその後の航空戦力に大きな影響を与えました。

宇宙開発

1978年は宇宙開発においても重要な進展がありました。6月27日には、ポーランドの宇宙飛行士、ミロスワフ・ヘルマシェフスキとソビエトのピョートル・クリムクが搭乗したソユーズ30号が打ち上げられました。

また、8月26日には、東ドイツの宇宙飛行士、ジークムント・イェーンがソ連のソユーズ31号に搭乗し、ドイツ人初の宇宙飛行士となりました。

12月19日には、ソ連の早期警戒管制機、ベリエフA-50 メインステイが初飛行し、航空戦術に新たな局面をもたらしました。

その他の出来事

5月20日には、新東京国際空港（現在の成田国際空港）が開港し、日本の航空輸送に新たな時代が始まりました。

9月13日には、フランスの汎用ヘリコプター、SA 330 ピューマが初飛行しました。

10月28日には、米国で航空規制緩和法が成立し、航空業界の競争激化を促進しました。

航空機関連の賞
デラボー賞は、ベン・アブラッゾ(USA)、マキシー・アンダーソン(USA)、ユーリー・ロマネンコ(USSR)、[ゲオルギー・グレチコ]、[ウラジーミル・コワリョーノク]、アレクサンドル・イヴァンチェンコフ(USSR)が受賞しました。
FAI・ゴールド・エア・メダルは、ハンス＝ヴェルナー・グローゼが受賞しました。

1978年は、航空史において様々な出来事が起こった重要な年でした。技術革新の喜びと、悲劇的な事故による教訓、そして新たな規制改革への動きは、その後の航空業界の発展に大きな影響を与えました。

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