1978年の阪急ブレーブス

1978年の阪急ブレーブスのシーズン

1978年は阪急ブレーブスにとって特別なシーズンであり、監督上田利治の5年目の年でした。3年連続で日本一を達成した阪急は、この年もその勢いを保ち、前期は見事なスタートを切ることができました。4月には9連勝を記録し、早々に貯金を11作り上げ、他を寄せ付けない強さを示しました。

前期は5月、6月、7月にかけても着実に勝ち星を重ね、最終的には全チームを圧倒して前期優勝を果たしました。そんな中で、後期に入ると上田監督が病気で欠席するというアクシデントもありましたが、それでも阪急は7月だけで10の貯金を追加し、安定した成績を保つことに成功しました。

しかし、近鉄も負けてはいませんでした。前期を2位で終えた近鉄は、鈴木啓示投手が10試合連続完投勝利を達成し、阪急と同様に勝利を重ねていきました。両チームの直接対決が続く中、阪急は近鉄に対して苦戦を強いられ、最後の直接対決では勝たなければ近鉄が後期優勝を決めるという厳しい状況に追い込まれました。

その試合では、阪急のエース山田久志と、近鉄の鈴木啓示が先発として激突しました。試合は白熱し、阪急はマルカーノの2ランホームランなどで得点を重ね、最終的に勝利を飾ります。この結果、阪急は前期・後期共に優勝する完全優勝が見えてきました。次の試合でも勝利を収め、年間優勝を果たすことができました。

日本シリーズではリーグ初優勝を果たしたヤクルトと対戦しました。当初は阪急が優位と見られていましたが、シリーズは第7戦にまで及びました。そこで事件が起こります。ヤクルトの大杉選手が放った大飛球がホームランと判定された際、上田監督はその判定に強く抗議しましたが、結果的に判定は覆らず、長時間の抗議の影響で先発投手を交代せざるを得ない状況になりました。その後、阪急の投手陣は打ち込まれ、結局阪急は4年連続の日本一の座を逃してしまいました。

シーズンオフには、長時間抗議による責任や、日本一を逃した結果を受けて上田監督が辞任することとなりました。このように1978年の阪急ブレーブスは、数々の成功と苦難が交錯するシーズンを経験し、その後のチームの変遷にも影響を与えました。

チーム成績

• - レギュラーシーズン: 阪急は前後期共に完全優勝を達成。そのため、プレーオフは行われず、そのまま年間優勝が決定された。

日本シリーズ

エキサイティングな試合が繰り広げられた日本シリーズでは、阪急はシリーズ直前の好調にもかかわらず、思わぬ敗北を喫する結果となった。

できごと

• - 7月17日、上田監督が気管支肺炎で倒れ、7月20日まで中田昌宏ヘッドコーチが緊急的に代行を務めた。オールスター戦を挟み、7月29日からは西村正夫二軍監督が監督代行として職務を果たしました。
• - 8月31日、今井雄太郎選手がロッテオリオンズ戦で完全試合を達成しました。これは、指名打者制度導入後では初の快挙でした。

この年の阪急ブレーブスは、即ちその成績や出来事が、後のプロ野球界においても記憶される重要なシーズンとなりました。

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