1980年の近鉄バファローズ

1980年の近鉄バファローズのシーズン回顧

1980年、近鉄バファローズは監督西本幸雄にとって7年目のシーズンでした。この年、チームは2年連続でリーグ優勝を成し遂げましたが、日本一の夢は果たせず、波乱に満ちたシーズンが展開されました。

シーズンはリーグ連覇と初の日本一を目指して臨まれましたが、前期は序盤から厳しい戦いとなりました。4月下旬には6連敗を喫し、まさかの最下位に転落する展開。しかし、その後の6連勝で持ち直し、なんとか前期を2位で終えることができました。ロッテが強力なチームであり、首位に立ってからもその差を広げる様子は、近鉄にとって大きな手強さとなりました。

後期はさらに混戦模様が続き、南海を除く5球団がしのぎを削りました。9月上旬までは順位が流動的でしたが、阪急が脱落。更にロッテも9月末に3連敗し、近鉄にはわずかな逆転の可能性が残りました。しかし、10月5日のダブルヘッダーで南海に連敗した近鉄は、次の日本ハムとの直接対決を迎えることとなります。この試合は後楽園球場で行われ、5万人の観衆が集まりました。近鉄のいてまえ打線が活躍し、ルーキーの木田勇を攻略。最終的には6-5で勝利を収め、後期の優勝への道が開かれました。

その後の試合でも、井本隆の活躍によって西武を退けると、後期最終戦ではチャーリー・マニエルが逆転3ランを放ち、打線が爆発。結果的に10-4で勝利し、後期優勝を決定します。ロッテとのプレーオフでは、井本や鈴木啓示の好投で王手をかけ、続けて第3戦で本塁打攻勢を披露し、3連勝でリーグ連覇を達成しました。

しかし、近鉄の投手陣はクローザーの山口哲治が負傷し、リーグ最多の50完投を記録するも、防御率は4.96という厳しい数字に。逆に打撃陣は絶好調で、マニエルが本塁打48本を放つなど、多くの選手が2桁本塁打を記録しました。また、打率ベスト10には4人の選手が名を連ね、打撃力の高さを証明しています。

日本シリーズでは前年に続いて広島と対戦し、先に王手をかけるものの、第6戦を落とした後の第7戦では1点差から鈴木が打たれ、3勝4敗で敗北。西本監督の悲願である日本一はまたも達成されませんでした。

このように1980年の近鉄バファローズは、華やかな戦績もありながらも、日本一への道のりは険しいものでした。優勝はプレーオフで決まりますが、チーム全体の総力を見せたシーズンだったと言えるでしょう。

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