1987年の日本シリーズ

1987年の日本シリーズ概要

1987年の日本シリーズは、10月25日から11月1日まで行われました。この年のシリーズでは、セ・リーグのチャンピオンである読売ジャイアンツと、パ・リーグを制した西武ライオンズが対戦しました。このシリーズは、第38回プロ野球日本選手権シリーズであり、パ・リーグ主催試合における指名打者（DH）制度の採用が認められたのが特徴です。

また、前年の日本シリーズで直面した長い延長戦を考慮し、延長戦のルールも変更されました。この年からは、時間制限が廃止され、シリーズの第7戦までは18回まで、8戦目以降は無制限の延長も可能という新たなルールが採用されました。

戦いの背景

森祇晶監督が率いる西武と、王貞治監督が指揮をとる巨人の対戦は、1983年以来の組み合せであり、元巨人選手同士の直接対決でもありました。このシリーズは、最終的に西武が4勝2敗で勝利し、2年連続で、かつ西武にとっては4度目の日本一を達成しました。特に、MVPには工藤公康が選ばれ、シリーズ中に2完投を記録し、1972年・1973年にMVPとなった堀内恒夫以来の2年連続の受賞者となりました。

第6戦のドラマ

特に注目されたのは、第6戦の展開でした。この試合では、西武の守備走塁コーチ、伊原春樹が巨人の守備の隙をついて大胆な走塁を見せました。2回には清原和博が中飛で本塁へ突入し、続く8回には辻発彦の走塁によって追加点を挙げました。特に清原の走塁は、巨人の投手クロマティの緩慢な送球や不安定な守備を突くもので、3つのミスが重なった形でした。

森監督はこのシリーズを自己の監督キャリアの中でも最高傑作と位置付け、「選手たちが一丸となって勝ち取った日本一」と評しています。また、シリーズ前には巨人の桑田真澄が初戦の先発であったため、彼が攻撃の起点となることが期待されていましたが、巨人打線は工藤に対して手も足も出ず、打撃不振に陥りました。そのため、西武は着実に点数を重ねる展開となりました。

試合結果

第1戦

巨人と西武のシリーズは、初戦から歴史と記録を作りました。巨人の先発は桑田真澄、西武は東尾修がマウンドに上がりました。この試合では、桑田が1回で失点をし、西武が先手を取る形となりました。その後、巨人も反撃に出ますが、最終的には巨人が勝利。

第2戦から第6戦

第2戦では、西武の工藤が完封勝利を収めるなど、試合が進む中で西武の優位が際立ちました。第3戦では郭泰源が巨人打線を抑え、再び西武が勝利。第4戦では槙原寛己が巨人の先発として完封し、勢いを取り戻しましたが、第5戦で西武の工藤が再び出場し、勝利。シリーズのクライマックスとなった第6戦では、西武が勝利し、日本一が決まりました。

表彰選手

特に功績を残した選手たちへの表彰も行われました。最高殊勲選手は工藤公康、敢闘賞には篠塚利夫、優秀選手賞に石毛宏典、秋山幸二、槙原寛己が選ばれました。

この1987年の日本シリーズは、両チームの戦術と選手たちのパフォーマンスを正確に反映した、記憶に残る対戦となりました。

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