1988年のオールスターゲーム (日本プロ野球)

1988年サンヨーオールスターゲーム：昭和最後の熱戦とプロ野球新時代の幕開け

1988年のオールスターゲームは、プロ野球史に大きな足跡を残す大会となりました。この年は、三洋電機が特別協賛となり大会名が『サンヨーオールスターゲーム』と改称された最初の年であり、また、東京ドームが初めてオールスターゲームの舞台となった年でもありました。さらに、シーズン終了後には老舗球団の阪急ブレーブスと南海ホークスの身売りという大きな出来事が控えており、まさにプロ野球界が大きな転換期を迎える中での開催となりました。

監督対決：森祇晶 vs 王貞治

前年、2年連続日本一を達成した西武ライオンズの森祇晶監督が全パを、セ・リーグ優勝の読売ジャイアンツの王貞治監督が全セを率いました。この両雄の対決は、野球ファンにとって大きな見どころの一つでした。王監督と、後任監督候補として噂されていた長嶋茂雄氏の両名が、1979年以来となる同時期のオールスターゲームへの登場も話題を呼びました。

3試合のドラマ

第1戦は雨天順延となり、オールスターゲーム最終開催となる阪急西宮球場で行われました。地元・阪急ブレーブスの星野伸之投手が好投し、ブーマー・ウェルズ選手の特大ホームランも飛び出すなど、阪急ブレーブスの最後の華々しい舞台となりました。

第2戦はナゴヤ球場にて開催され、高卒新人ながら先発出場を果たした立浪和義選手や、当時オールスターゲームにおいて指名打者制が導入されていなかったため右翼手で出場した門田博光選手など、若手からベテランまで多くのスター選手が活躍しました。試合は岡田彰布選手の逆転ホームランなどで最終的に引き分けに終わりました。

そして、シリーズ最終戦である第3戦は、東京ドームで開催されました。この試合では、東京ドームを本拠地としていた日本ハムファイターズのエース、西崎幸広投手が全パの先発として3回パーフェクトピッチングを披露。2回裏にはクリーンナップから三者連続三振を奪うなど、圧巻の投球を見せつけました。しかし、試合は延長戦に突入。12回裏、野手を使い果たした全セは、水野雄仁投手を代打に送るという奇策に出ます。これがサヨナラの犠牲フライとなり、全セが勝利。昭和最後のオールスターゲームは、劇的な幕切れを迎えたのです。現在の規定では延長戦はなく、指名打者制も導入されているため、このような展開は二度と起こり得ません。

その他の話題

このオールスターゲームでは、巨人で活躍した呂明賜選手が監督推薦で初出場を果たしましたが、全試合ノーヒットに終わるという結果となりました。また、1988年度の野球殿堂授与式が東京ドームで行われ、王貞治監督の後任監督問題に関わる長嶋茂雄氏が登場するなど、様々な出来事が重なり、この年のオールスターゲームを記憶に残るものとしました。

メディア報道

このオールスターゲームは、フジテレビ系列、TBS系列、日本テレビ系列などでテレビ中継され、NHKでも録画放送されました。また、NHKラジオ第1、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオ日本など多くのラジオ局でも中継されました。各局とも豪華な実況陣・解説陣を揃え、試合の興奮を視聴者・リスナーに伝えました。

まとめ

1988年のサンヨーオールスターゲームは、東京ドームのこけら落とし、昭和最後のオールスターゲーム、そしてプロ野球界の大きな転換期という、複数の要素が複雑に絡み合った、記憶に残る大会となりました。雨天順延、延長戦、監督対決、そして劇的なサヨナラ劇など、様々なドラマが凝縮されたこの大会は、日本のプロ野球史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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