1988年の日本シリーズ

1988年の日本シリーズ

1988年の日本シリーズは、いわゆる「セ・リーグ」優勝チームの中日ドラゴンズと、「パ・リーグ」優勝チームの西武ライオンズとの間で行われました。試合は、1988年の10月22日から10月27日までの期間に開催されました。このシリーズは第39回プロ野球日本選手権に当たるもので、特に注目されたのは、両チームともに名監督を抱えていた点です。中日ドラゴンズは星野仙一監督、西武ライオンズは森祇晶監督がそれぞれ指揮を執りました。

シリーズの結果は西武が4勝1敗で勝利し、3年連続での日本一を達成することとなりました。その結果は、西武がこれまでに通算で8度目の日本一を獲得したことを意味し、西鉄時代も含めるとその偉業は特筆すべきものです。この年、西武は前年同様、公式戦の終了後わずか3日で日本シリーズの舞台に立つことになりました。

このシリーズは、戦いの舞台ともなったナゴヤ球場での試合も含まれていましたが、興味深いことに、ナゴヤ球場の日本シリーズ開催は、この年の第2戦をもって最後となり、その後はナゴヤドームでの開催に移ることとなります。

西武はこのシリーズで「走攻守」全てにおいて中日を圧倒しました。その成果の一つは、四番打者の打点に見ることができます。西武の4番、清原和博選手は、このシリーズで3本のホームランを放ち、その豪快な打撃センスとパフォーマンスでチームを牽引しました。一方、中日の四番打者・落合博満選手は、打点はおろかホームランすら放つことができず、印象的には劣ってしまいました。両者の打撃成績は確かに似たような数字となっていますが、打撃の中身は決して同じではありませんでした。

シリーズ開催中、西武は非常に効果的な攻撃と守備を披露しました。例えば、中日は全体で8併殺打を喫し、その対する西武は2併殺打に留まりました。また、失策においても中日は合計で4失策を犯し、西武は第5戦でわずか2失策を記録したのみでした。特に第3戦における中日の失策が試合の流れに悪影響を及ぼしたことは否めません。失策の影響でムードが悪化し、選手のプレーに緊張感や焦りが生じたとされ、その結果がこのシリーズ全体に影響をもたらしました。

森監督は自身の著書で、「この年の日本シリーズには何もしていない。選手たちとスタッフの共同作業の賜物であり、チーム全体で勝利したのだ」と語っています。逆に星野監督は、前年まで西武に在籍し活躍を見せた小野和幸選手を起用したものの、その成績は振るわず、特に第1戦では4失点を許してしまい敗戦投手となりました。

シリーズの各試合は熱戦が繰り広げられ、特に第5戦は延長に突入し、サヨナラゲームで日本一が決しました。この日は多くの観客が集まり、チームのファンは熱狂的に選手たちを応援しました。第5戦は、両チームの選手たちが壮絶な戦力と技術を駆使した結果、延長11回に伊東選手が打った適時打で西武がサヨナラ勝ちを収めるというドラマチックな展開を迎えました。

日本シリーズの結果として西武は、その後も続く強さを証明しました。個別の選手も大きな役割を果たし、中でも石毛宏典選手は最高殊勲選手に選ばれました。シリーズ後、彼とその他の贈賞選手の活躍は、来るべき日本シリーズにおいても注目され続けることとなることでしょう。

もう一度検索