1988年の読売ジャイアンツ

1988年の読売ジャイアンツのシーズン動向

1988年、読売ジャイアンツは新たな本拠地である東京ドームに移って始まった。王貞治監督にとって5年目のシーズンで、この年の球団は新たな挑戦を迎えていた。ドーム元年を優勝で飾ることを目指したが、シーズンの開幕は予想外の展開だった。開幕戦は東京ドームで行われ、対ヤクルト戦で鴻野淳基の悪送球により逆転負けという不吉なスタートを切ることとなった。

シーズンが進むにつれて、チームは浮き沈みが続いた。5月にはエースの槙原寛己が中日の郭源治にサヨナラ本塁打を浴び、連勝時も5割前後での厳しい戦いが続いた。しかし、5月下旬には6連勝を果たし、ようやく首位争いに加わることができた。しかし、その後の6月13日、ウォーレン・クロマティが死球によって左手親指骨折という打撃を受け、一時はチームの戦力が大きく低下した。

その後、呂明賜がチャンスを掴み、9試合で7本の本塁打を放つ活躍を見せて、チームは再び首位に立つ。しかし、7月6日には吉村禎章が外野守備の際に栄村忠広と交錯し、左膝の靭帯を断裂するという重傷を負い、さらなる困難が待ち受けた。前半戦を首位で折り返したものの、後半戦が始まると中日に首位を奪われ、その後は広島との2位争いにシフトしていった。

最終的には、9月29日に王監督の辞任が発表されるなど、苦渋のシーズンとなった。チームは中日に12ゲーム差をつけられての2位フィニッシュとなり、特に後半戦では期待に反して2勝7敗という結果を残し、王監督もその責任を取る形となった。特に、抑えの鹿取義隆が落合博満にサヨナラ打を許した試合や、中継ぎの斎藤雅樹が大宮龍男にサヨナラ本塁打を打たれた試合は、チームにとって非常に辛いものであった。これらの要因が重なり、今シーズンの成績はいわゆる「惜敗」の連続となった。

また、他のチームに対しては5位の大洋には17勝9敗と勝ち越すことができたものの、広島やヤクルトとの対戦ではそれぞれ12勝13敗1分と苦戦を強いられた。それでも、若手選手の台頭や、苦しい中でも努力を続けた選手たちの姿勢は、将来につながる希望を残すものとなった。

総じて、1988年の読売ジャイアンツのシーズンは、苦しい試練が多かったものの、若手選手の活躍や新たな挑戦を通じて、次世代の基盤が築かれた重要な一年とも言える。

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