1988年の近鉄バファローズ

1988年の近鉄バファローズのシーズン概要

1988年、近鉄バファローズは仰木彬が監督に就任した初年度のシーズンでした。岡本伊三美前監督の辞任を受け、長年のヘッドコーチとしての経験を生かし、仰木体制がスタートしました。この年は動揺と希望が交錯するシーズンとなりました。

シーズンスタート

チームは4月に11勝7敗というまずまずの成績でスタートし、期待が高まりました。しかし、4連覇を目指す西武ライオンズも開幕から好調を維持しており、両チームの争いはハイレベルなものとなりました。ところが、6月には4番打者のリチャード・デービスが大麻所持で逮捕され、チームに大きな打撃が加わりました。

デービスの不在は打線に影響を及ぼし、チームはこの月を7勝9敗と負け越し、7月も7勝6敗1分と今一つの成績でした。この結果、近鉄は西武との差を縮められずにシーズン後半に突入しました。

後半戦の奮闘

しかし、後半戦に入ると新加入のラルフ・ブライアントや元大リーガーのベン・オグリビーが活躍を見せ、8月には14勝8敗の好成績を収めました。彼らの貢献で、9月も10勝7敗と勝ち越しを果たし、徐々に西武とのゲーム差を詰めていきました。

10月には、最終的にはBクラスに落ちる不安があったものの、12勝5敗と調子を上げ、リーグ優勝を争うマジックが点灯する事態に至りました。特に記憶に残るのは、10月19日のロッテとのダブルヘッダーです。第1試合では梨田昌孝が引退を決意し勝ち越しタイムリーを放ち、チームは4対3で勝利を収めました。

しかし第2試合では終盤に同点ホームランを打たれ、最後は併殺打で試合が終わるという苦い結果になり、リーグ優勝のチャンスを逃してしまいました。シーズンの総括としては、最終的に2位で終了するも、大きな成長を遂げたことは否定できません。

投手と打撃の活躍

この年の投手陣は、阿波野秀幸や山崎慎太郎、小野和義らが2ケタ勝利を上げ、チーム防御率は3.23で日本ハムに次いでリーグ2位という安定感を見せました。一方、打撃面ではブライアントやオグリビーの活躍により、リーグ3位の154本塁打を記録しました。しかし、チーム打率は.253で5位に終わるなど打撃の安定性には課題が残りました。

結果と未来へ

1988年のシーズンは、悔しさとともに学びの多い年でした。結果としてはリーグ優勝を逃したものの、この経験が翌年の成功につながったことは間違いありません。仰木監督の下でチームはさらなる進化をどのように遂げていくのか、期待が高まりました。

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