1990年の全日本ツーリングカー選手権

1990年の全日本ツーリングカー選手権 (JTC)

1990年の全日本ツーリングカー選手権（JTC）は、シリーズの6年目にあたります。このシーズンは、大きな変革の時期でもありました。3月18日に西日本サーキットで幕を開け、11月11日には富士スピードウェイでその幕を下ろしました。全6戦を通して、チームインパルに所属する星野一義が見事タイトルを獲得しました。

シリーズの概要

この年は、日産が二台のR32型スカイラインGT-Rを投入し、前年まで圧倒的に優勢だったフォード・シエラRS500に挑戦する形でスタートしました。日産は、前年度チャンピオンの長谷見昌弘を率いるハセミモータースポーツおよび星野一義が指揮するチームインパルにその期待を託しました。

レースが進む中、日産のGT-Rは圧倒的な強さを誇りました。インパルは5勝を収め、ハセミも1勝を挙げるなど、両チームはトップ争いにおいてその地位を確立しました。特にインパルは、ハセミがリタイアした第4戦以外、常に1-2フィニッシュを果たしました。

観客動員数にも影響を与え、このシーズンの各レースは非常に盛り上がりを見せました。最終戦であるINTER-TECには、なんと8万人を超える観客がサーキットを訪れ、GT-R人気の高さが伺えます。当時の景気背景も相まって、サーキットは長蛇の列を作るほどの活況ぶりでした。

しかし、このシーズンは他の車両にとっては非常に厳しいものでした。シエラやスープラといった従来のクラス1車両は、優勝どころか表彰台に上がることさえも難しい状況に追い込まれました。チームスープラは、このシーズンを最後に撤退を決断しました。また、関谷正徳と小河等の両ドライバーは、シーズン途中から3クラスのレビンへエントリー変更を余儀なくされたのです。

シエラ勢でも変化が見られました。オブジェクトTは第5戦から1台をGT-Rに変更し、早速3位表彰台を獲得。これにより、GT-R勢の表彰台独占が実現しました。このシーズン、エントリー数は最大で7台に達しましたが、GT-Rの強さに圧倒され、多くのチームがこの年限りでの撤退を選ばざるを得なくなりました。

このように、1990年の全日本ツーリングカー選手権は、GT-Rの強大なパフォーマンスが支配したシーズンとなりました。レースの内容や興行の盛り上がりにより、シリーズは徐々にGT-R中心の舞台へと変貌を遂げる印象を持たせました。

シリーズポイントランキング

ポイント制度は、各クラスで1位から10位までのドライバーに対して、20, 15, 12, 10, 8, 6, 4, 3, 2, 1ポイントが与えられるもので、全ポイントがランキングに反映されます。ドライバーが同ポイントの場合は、シーズンを通じて長距離を走行した選手が上位となります。

全体として、1990年のJTCはGT-Rの時代を強く印象づけるシーズンでした。

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