1990年の日本シリーズ

1990年の日本シリーズ

1990年10月20日から24日にかけて開催された1990年の日本シリーズは、セ・リーグ優勝の読売ジャイアンツと、パ・リーグ優勝の西武ライオンズとの対戦であり、これで41回目のプロ野球日本選手権シリーズとなりました。両チームの対戦は1987年以来3年ぶりであり、過去にも1983年と1987年に戦ったことがあるため、両者の対決はファンの間で注目されていました。

このシリーズでは、西武がストレート4連勝を果たし、見事に日本一の座を手にしました。これにより西武は、2年前に引き続き、さらに9度目という日本一の称号を獲得しました（西鉄時代を含む）。西武の連勝は、引き分けを挟まないストレート勝ちとしては1959年の南海ホークス以来30年ぶりとなり、また1975年に阪急ブレーブスが達成して以来、4連勝を飾ったのは西武が初めてとなります。

試合の展開

試合の進行は非常にスムーズで、西武は全ての試合で得点差が4点以上となる大差で勝利しました。プロ野球70年史においても西武のプレーは「完璧な野球」と評され、巨人とは真剣勝負のレベルが異なっていたとされています。巨人の監督、藤田元司は、試合の結果に対して「立ち上がった瞬間、土俵の外に突き飛ばされた」と驚きを隠さずその思いを自著に記しています。

特に注目すべきは、第1戦での西武の戦い方です。西武は西武球場での第1戦で、渡辺久信が先発し、見事な完封勝利を飾りました。巨人は先発に槙原寛己を起用しましたが、西武の清原和博が四球を選び、続けてデストラーデが本塁打を放つなど、序盤から圧倒的な得点を記録しました。また、その後の試合でも西武の堅実な守備や俊敏な攻撃が目立ち、再三にわたり巨人の反撃を封じました。

監督の振り返り

藤田監督は、選手時代に1959年の日本シリーズで4連敗を経験したことがあり、今回は監督として同じ運命を辿ることになりました。また、選手会長の岡崎郁も「私の野球観が変わった」と語っており、その強烈な印象は記憶に残るものとなりました。対する西武の森監督は、相手のチャンスをしっかりとディフェンスで封じ込めることができたと振り返り、選手たちの高い集中力を称賛しました。

選手たちの声

西武の選手、平野謙は「下馬評では圧倒的に巨人有利だったが、私たちは勝てるという自信があった」と述べ、チーム全体の意気込みを伝えました。さらに、歴史的な対戦となった本シリーズを経て、巨人の選手たちはどう立ち直るのかという球界全体の注目も集まりました。尾に西武の連勝を受けて、巨人の反応はそれまでの安定した状態から一変し、変化を余儀なくされたことは間違いありません。

結果

この1990年の日本シリーズは、西武ライオンズにとって記念すべきシリーズとなり、選手たちのひたむきな取り組みが勝利を引き寄せたとも言えるでしょう。ファンや選手たちにとっても忘れがたいシリーズの一つといえるのではないでしょうか。

もう一度検索