1990年の映画

1990年の映画

1990年は映画業界において多くの重要な出来事が起こった年でした。特に日本と世界各国の映画がダイナミックに交差し、それぞれの映画界に影響を与えました。この年の動向を振り返ってみましょう。

世界の映画シーン

3月26日、黒澤明監督が第62回米アカデミー賞で名誉賞を受賞しました。彼の作品は国際的に評価され、多くの映画人に影響を与えています。続いて、5月には米歌手・俳優のサミー・デイヴィスJr.が死去し、映画界の一時代が終わりました。また、5月21日にはカンヌ国際映画祭で小栗康平監督の『死の棘』がグランプリを受賞するなど、日本映画が世界での存在感を示しました。

また、9月27日には、モーション・ピクチャー・アソシエーション・オブ・アメリカがNC-17レーティングを制定。これは、17歳以下の入場を禁止するもので、映画の内容に対する新たな基準を示すものでした。これにより、映画製作における自由度も変わっていったのです。

10月31日には『オーロラの下で』がアジア太平洋映画祭で音楽賞と撮影賞を受賞、国内外での評価を高めました。さらに、11月26日には、松下電器産業がMCAを買収し、映画業界の再編成が進んでいきました。

日本における重要な出来事

日本では2月に第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭が開催され、映画愛好者や製作者にとっての新たな交流の場が設けられました。初めての試みながら、今年の日本映画の興行は非常に盛況でした。特に6月23日に公開された『天と地と』は、全国204館での一斉公開となり、前売り券が500万枚を売り上げて大ヒットを記録しました。

さらに、東宝が7月8日に公開した『ダイ・ハード2』は、アクション映画として大ヒットし、続編の期待も高まりました。9月には、サザンオールスターズの桑田佳祐が監督した『稲村ジェーン』も大ヒットを収め、音楽と映画の融合が見られました。

また、映画館の入場料金も1990年には大人1600円に設定されており、映画観覧の普及率が高まっていきました。この年の日本の映画入場者数は1億4600万人を越え、興行収入は1719億1000万円となり、好調な成長を示しました。

若手の誕生と影響

1990年は映画界に新しい才能が生まれた年でもあります。特に声優や俳優の戸松遥や石田法嗣、ハリウッドでも注目されるエマ・ワトソンが生まれました。これらの若手は映画界に新たな風をもたらし、将来への期待感が高まっています。

また、日本映画界では松竹が創業95周年を迎え、長い歴史を誇る日本の映画興行が新たなステージに向かっています。これにより、文化の統合や映画技術の進化も進み、観客に多様な楽しみを提供する事が期待されました。

まとめ

1990年は映画界において多くの重要な出来事が起こった年です。日本と世界の映画が交わり、アワードの受賞や商業的成功が見られ、若手の台頭もありました。この年の出来事を通じて、映画が国境を越えて人々の心を結ぶ力を再確認させるものとなったのです。

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