1990年の読売ジャイアンツ

1990年の読売ジャイアンツのシーズン展望

1990年の読売ジャイアンツは、監督・藤田元司体制のもと、リーグでの優れた成績を収めました。この年のシーズンは、シーズン開幕から強い勢いを見せ、早々と首位に立つとともに、結果としてリーグ優勝を達成しましたが、日本シリーズでの結果は思わしくありませんでした。

シーズンの始まり

サヨナラ本塁打や疑惑の本塁打といったドラマティックな展開で始まった1990年シーズン。開幕戦では篠塚利夫選手の「疑惑の本塁打」によりヤクルトに勝利し、続く試合でも木田優夫選手がサヨナラ本塁打を放ち、連勝でスタートを切りました。これにより、巨人は順調にシーズンの幕を開けました。

順調な進撃と首位独走

シーズン前半は、前年まで二軍監督を歴任した須藤豊監督率いる大洋と首位争いを展開し、その後5月8日には桑田真澄選手が大洋を相手に完封勝利を収めます。この勝利以降、巨人は一度も首位の座を明け渡さず、主導権を握り続けました。大洋の急落も影響し、巨人はこの年も強力な投手陣を背景に首位を独走しました。

顕著な投手陣の活躍

巨人が優れた成績を収める一因として、投手陣の存在が挙げられます。斎藤雅樹選手は2年連続で20勝を記録し、桑田真澄選手や宮本和知選手も14勝を挙げ、木田優夫選手は12勝、香田勲男選手が11勝を上げるなど、5人の投手が2桁勝利を記録しました。また、槙原寛己選手も9勝を挙げ、これらの投手がチームの勝利数88のほとんどを占めました。

特徴的な対戦成績

シーズン中の対戦成績でも目立ったのは、開幕戦の相手であるヤクルトに19勝7敗と圧倒的な成績を収めたことです。さらに、4位の中日相手にも18勝8敗、最下位の阪神には同一カードで8連勝を含む20勝6敗を記録しており、他球団との対戦で貯金46のうち36を稼ぎました。

日本シリーズでの挫折

シーズンの終わりには、ツイストカップを勝ち取り、日本シリーズで宿敵西武に挑むこととなりました。しかしながら、優勝決定から日本シリーズまでに1ヶ月半の期間があったため、巨人は投打ともに西武に圧倒される結果となり、31年ぶりのストレート負けを喫してしまいます。この敗北によって、社会人野球からの転身を果たした選手たちも、岡崎郁選手の言葉にあるように「野球観が変わった」と感じるほどの衝撃を受けることとなりました。これは翌年以降のチームのパフォーマンスにも大きな影を落とすことになります。

主要な個人成績

1990年のシーズンでは、斎藤雅樹選手が最優秀選手に輝き、最多勝利、最優秀防御率など多くのタイトルを手にしました。さらに、緒方耕一選手は盗塁王、木田優夫選手は最多奪三振を受賞するなど、個々の選手もその力を発揮しました。この年の成績を総じて振り返ると、非常に成功したシーズンであったと同時に、その終局は新たな課題をもたらしたことは間違いありません。

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