1991年の日本シリーズ

1991年日本シリーズの概要

1991年の日本シリーズは、2年連続でパ・リーグを制した西武ライオンズと、5年ぶりにセ・リーグを制した広島東洋カープの対戦で、広島市民球場と西武ライオンズ球場で展開されました。このシリーズは多くのドラマが生まれ、特に広島が3勝2敗でリードしていた場面では、勝利が期待される局面も見られました。

シリーズの展開

戦前の見立てでは西武が優勢とされていますが、広島は見事に先勝し、1勝2敗からの逆転勝ちを目指しました。しかし、西武も持ち直し、1986年の対戦での経験を生かして日本一を果たしました。西武監督の森祇晶氏は、その著書において「広島の佐々岡と川口投手を温存していたなら、結果は異なっていたかもしれない」と述べています。また、前年の1986年の日本シリーズでMVPを獲得した工藤公康選手も、このシリーズで二つの勝利を挙げ、さらに胴上げ投手となるという素晴らしい活躍を見せました。

一方で、広島の選手たちも記憶に残るプレーを次々と披露しました。西武の石毛宏典選手は、特にこのシリーズを振り返り、広島の野村謙二郎選手や前田智徳選手のひたむきなプレーに感銘を受けたと語っています。シリーズの中で敵ながらその姿勢を見て学んだことは多かったようです。

試合結果の詳細

第1戦

西武は初回から清原和博選手の本塁打で1点先制し、その後もデストラーデ選手が続いて3点を得ました。広島はアレン選手のソロ本塁打で1点を奪うものの、西武の工藤選手が素晴らしいピッチングを続け、3-1で西武の勝利に終わります。

第2戦

広島は初回に小早川選手の二塁打で1点先制。その後、逆転を果たし逃げ切って4-2で勝利しました。この試合は指名打者解除に関する歴史的な試合でもありました。

第3戦

試合は序盤から拮抗状態が続くも、西武が8回に秋山選手のソロ本塁打で先制し、そのまま守り切って1-0で勝利。

第4戦

広島が打線爆発。序盤からリードを広げ、佐々岡投手が7回無安打無失点という素晴らしいピッチングを披露しました。これにより、広島は再び2勝2敗のタイに追いつきます。

第5戦

広島が2点を先制し、その後も追加点を挙げて3-0で勝利。これで広島が日本一まであと1勝に迫る展開となりました。

第6戦

西武が逆転し、最終回は秋山選手のホームランが決め手となり、6-1で勝利。これによりシリーズは最終戦へと持ち込まれました。

第7戦

雨で1日遅れましたが、緊迫の試合となり、最終的に西武が勝利し、シリーズを制しました。このシリーズの結果、西武は1991年の日本一に輝きました。

表彰選手とメディア

シリーズのMVPには秋山幸二選手が選ばれ、敢闘賞には川口和久選手、さらに工藤公康選手と渡辺久信選手が優秀選手となりました。シリーズは様々なメディアでも取り上げられ、観客を楽しませました。この年の日本シリーズは、旧広島市民球場で開催された最後のものとなりました。

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