1991年韓国地方議会議員選挙

1991年韓国地方議会議員選挙

1991年3月と6月に韓国で実施された地方議会議員選挙は、基礎自治団体と広域自治団体の議員を選出する重要な機会でした。これは、1960年の選挙以来、31年ぶりとなる地方議会議員選挙であり、地方自治の復活を象徴する選挙でもありました。1987年の民主化運動を経て、韓国は地方自治の実現を目指すための第一歩を踏み出しました。

選挙の背景

1980年代後半、韓国の政治情勢は大きな変化を迎えました。1961年に発生した軍事クーデター以降、地方自治が停止され、地方議会は解散されていました。しかし、1987年の民主化により、地方自治が再び実現されることが決定しました。そのため、1991年には市・区・郡、市・道を対象とした新たな地方議会を構成するための議員選挙が行われました。

特に広域議会選挙では政党による公薦が認められ、前年度の政党合同と現政権である盧泰愚大統領に対する中間評価の意義が大きかったです。その結果、与党である民主自由党が圧勝し、議会の過半数を獲得しました。

実施過程

地方自治法および地方議会議員選挙法の改正後、基礎議会（市・区・郡）と広域議会（道・ソウル特別市）に分かれた議会の再構成が実現しました。基礎議会は中選挙区制を採用し、政党による公薦は禁止されていました。これに対し、広域議会では小選挙区制が導入され、政党公薦が認められました。

基礎議会選挙の投票は3月26日に行われ、投票率は55.5％でした。議席数は4,304あり、約1万名が立候補しましたが、政党による公薦が禁止されたことから、当選者は8名の女性を含む多様な候補者が選ばれました。

広域議会選挙では、6月20日に投票が行われ、58.9％という高い投票率とともに、与党の民主自由党が大勝し、全体の議席を76.3％占有する結果となりました。一方、野党である新民主連合党や民主党は敗北し、特に新民主連合党は得票比率が急激に低下しました。

選挙結果と影響

民主自由党の勝利は、国内の様々な不満や国民の動揺にも関わらず実現しました。その背景には、野党が提唱した政治改革に対する国民の不信感が影響しています。この状況によって、与党はその後の政権運営においても安定を図ることが可能になりました。

選挙結果に基づき、民自党内では後継者選定を巡った争いが見られ、一方、敗北した野党は統合を進め、新しい政治勢力としての存在感を高めようとしました。1991年の選挙は、その後の韓国政治においても多大な影響を与える重要な出来事でした。

結論

1991年韓国地方議会議員選挙は、地方自治の復活を促すものであり、今後の政治展開に大きな影響を及ぼしました。与党の強化や野党の再編成が進む中で、韓国の政治は新たな局面を迎えつつあったのです。この選挙は、単なる地方議会の選出にとどまらず、国全体の政治的潮流を変える契機となったと考えられます。

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