1994年の猛暑 (日本)

1994年の猛暑

1994年（平成6年）の夏、日本は記録的な猛暑に見舞われました。7月中旬から8月前半にかけて、日本列島の広範囲で異常な高温が続き、各地で観測史上最高気温を更新するほどの猛暑となりました。

猛暑の経過

1993年の記録的な冷夏から一転し、1994年は7月13日までに全国で梅雨明けを迎えました。その後、お盆にかけて記録的な猛暑が到来しました。特に瀬戸内・近畿地方では空前の暑さとなり、多くの地点で観測史上最高気温を記録しました。この猛暑は、2013年や2018年の猛暑を凌ぐものとして記憶されています。

都道府県庁所在地では、青森市、富山市、長野市、津市、京都市、大阪市、神戸市、奈良市、松江市、岡山市、広島市、徳島市、佐賀市、長崎市、熊本市で、現在も観測史上最高気温を記録しています（記録更新された地点を除く）。

また、フェーン現象の影響で北陸や山陰地方でも記録的な猛暑となりました。この猛暑の要因として、ダイポールモード現象の発生が指摘されています。

具体的な経過

5月1日：宮崎県西米良村で、アメダス観測開始以来、最も早い真夏日（30.8℃）を観測。
5月4日：新潟県新潟市と上越市で、気象官署観測開始以来、最も早い真夏日（31.5℃）を観測。
6月26日：宮崎県宮崎市で、この年最も早い猛暑日（35.1℃）を観測。
7月4日：山梨県甲府市で39.3℃、勝沼町で39.1℃を観測。
7月5日：群馬県前橋市と鬼石町で38.7℃、伊勢崎市で38.2℃、桐生市で38.1℃を観測。埼玉県寄居町で38.3℃、静岡県本川根町で38.6℃、天竜市で38.2℃を観測。
7月6日：静岡県天竜市で38.3℃を観測。
7月9日：宮崎県西米良村で38.5℃を観測。
7月11日：宮崎県西米良村で県内観測史上最高（当時）の39.3℃を観測。岡山県高梁市で38.3℃、徳島県美馬町穴吹で県内観測史上最高の39.2℃を観測（後に統計切断）。
7月12日：宮崎県西米良村で38.9℃を観測。
7月13日：高知県西土佐村江川崎と大分県日田市で38.3℃を観測。
7月14日：宮崎県西米良村で38.7℃を観測。
7月15日：徳島県徳島市で観測史上最高の38.4℃、茨城県大子町で38.1℃を観測。中京地方でも猛暑となり、東海市で38.7℃、名古屋市で38.1℃を観測。岐阜市で39.0℃、多治見市で38.7℃などを観測。瀬戸内でも猛暑となり、香川県高松市で38.2℃、兵庫県南淡町で37.8℃を観測。九州では宮崎県都城市で観測史上最高の37.1℃を観測。
7月16日：西日本で記録的な猛暑。佐賀県佐賀市で39.6℃、白石町で39.0℃、熊本県熊本市で38.8℃、福岡県黒木町で39.2℃、大分県日田市で39.2℃、玖珠町で38.5℃、宮崎県北浦町で38.4℃、高千穂町で37.3℃を観測。広島県安佐北区で38.9℃、岡山県建部町で39.0℃、山口県玖珂町で38.1℃、錦町で38.3℃、香川県多度津町で38.5℃、愛媛県大洲市で38.2℃、大三島町で38.0℃、高知県西土佐村江川崎で38.8℃、檮原町で38.2℃、大阪市で38.0℃を観測。
7月17日：広島県広島市で観測史上最高の38.7℃、大竹市で38.0℃を観測。岡山県高梁市で38.9℃、建部町で38.8℃、山口市で38.0℃を観測。北九州でも大分県日田市で39.3℃、佐賀市で39.3℃、熊本市で38.8℃、福岡県黒木町で38.8℃、太宰府市と久留米市で38.1℃、大分県玖珠町で38.4℃を観測。
7月18日：佐賀県佐賀市で39.1℃、熊本市で38.3℃、大分県玖珠町で38.8℃、福岡県朝倉町で38.0℃を観測。
7月19日：大分県日田市で38.5℃を観測。
7月22日：広島市で38.3℃、愛媛県松山市で37.0℃を観測。
7月23日：鳥取県鳥取市で39.1℃を観測。長崎市で37.7℃、熊本県八代市で37.9℃を観測。
7月24日：山口県山口市で38.4℃を観測。長崎市で37.6℃を観測。日田市で22日連続の猛暑日を記録。
7月28日：京都市で38.1℃を観測。
8月1日：島根県松江市で38.5℃、鳥取県米子市で38.9℃、境港市で38.1℃を観測。
8月2日：山梨県甲府市で39.7℃、韮崎市で38.4℃、静岡県本川根町、三重県津市で38.2℃を観測。茨城県古河市で38.0℃、群馬県館林市で38.4℃、前橋市で38.0℃を観測。
8月3日：東京都千代田区で39.1℃を記録。静岡県磐田市で39.2℃、天竜市で38.9℃、浜松市で38.0℃、いわき市小名浜で37.7℃を観測。
8月4日：静岡県天竜市で40.6℃、佐久間町で39.5℃、山梨県甲府市で39.8℃、愛知県八開村で39.4℃、鳳来町で38.6℃など、県内6地点で38℃以上を観測。茨城県古河市で38.3℃、土浦市で38.0℃、群馬県でも3地点で38℃以上を観測。
8月5日：愛知県八開村で40.3℃を観測。名古屋市で39.8℃、東海市、豊田市でも39℃以上となるなど、記録的な猛暑。三重県津市で39.5℃、四日市市で38.8℃、鳥羽市で38.3℃、南島町で38.2℃を観測。近畿地方でも京都市と枚方市で39℃以上、奈良市で38.4℃を観測。広島県府中市でも38.0℃を観測。
8月6日：大阪府堺市で39.3℃、枚方市で39.5℃を観測。京都市でも2日連続39℃以上。奈良市で39.2℃、和歌山市で38.1℃を観測。宮崎県えびの市加久藤で37.9℃を観測。
8月7日：全国的に記録的な猛暑となり、35度以上の観測地点は294地点。北海道でも記録的な猛暑となり、札幌市で36.2℃、津別町で37.7℃、網走市で37.6℃、帯広市で37.0℃、常呂町で36.9℃を観測。紋別市では日最低気温28.1℃を観測。岐阜県では岐阜市、多治見市で39.7℃など、県内6地点で39℃以上。埼玉県秩父市で39.3℃を観測。岡山県では県内6地点で観測史上最高となり、岡山市と久世町で39.3℃を観測。近畿地方でも京都市、枚方市、奈良市で連続39℃以上。東北地方では福島市で38.4℃、梁川町で38.5℃を観測。四国地方では香川県財田町で38.1℃を観測。
8月8日：近畿地方で記録的な猛暑。和歌山県かつらぎ町で40.6℃を観測。大阪府豊中市で39.9℃、枚方市で39.6℃、京都市で39.8℃、大阪市で39.1℃、神戸市で38.8℃、奈良市で39.3℃を観測。兵庫県柏原町で39.2℃を観測。長野県松本市で38.0℃を観測。福島県では福島市と梁川町で連日の38℃以上。
8月9日：岩手県一関市で38.2℃を観測。広島県福山市で37.7℃を観測。
8月10日：鳥取県鳥取市で38.6℃を観測。
8月11日：新潟県上越市高田で39.3℃、寺泊町で38.8℃、新潟市で38.1℃、中条町で38.0℃など県内6地点で38℃以上。柏崎市で37.6℃を観測。兵庫県香住町で38.0℃、鳥取市で38.1℃を観測。
8月12日：フェーン現象により、本州日本海側で猛暑。新潟県上越市高田で39.5℃、岩手県岩泉町で38.5℃、山形市で38.2℃、島根県益田市で38.4℃、鳥取市で38.3℃、山口県萩市で37.9℃を観測。青森県青森市でも36.7℃を観測。
8月13日：新潟県津川町で39.4℃、長岡市で39.3℃、山形市で38.9℃、会津若松市で38.0℃、富山市で38.5℃、八尾町で38.4℃、氷見市で37.4℃を観測。鳥取県米子市で日最低気温29.5℃を観測。
8月14日：東北～北陸地方で記録的猛暑。岩手県釜石市で38.8℃、宮城県志津川町で38.0℃を観測。山形市でも37.8℃。青森県弘前市で36.5℃。北陸地方でも記録的猛暑となり、新湊市で39.7℃、富山市で39.5℃、金沢市で38.0℃を観測。富山市で日最低気温29.9℃を観測。長野市で38.2℃を観測。
8月15日：福島市で38.8℃、梁川町で38.1℃を観測。
8月16日：長野県長野市で38.7℃、信州新町で38.6℃、山形県小国町で38.0℃を観測。福島県も会津若松市で38.1℃、喜多方市で38.0℃を観測。甲府市でも38.0℃。山陰地方も猛暑となり、兵庫県豊岡市、京都府舞鶴市で38.3℃を観測。
9月10日：奈良県奈良市で、この年最後の猛暑日（35.1℃）を観測。
10月12日：亜熱帯地域を除く19の気象官署で、この年最後の真夏日を観測。

記録

猛暑日連続日数：大分県日田市で22日間（7月3日から24日）、広島県広島市三入で17日間（7月8日から24日）。
猛暑日年間日数：大分県日田市で45日間（2016年現在、全国最多）、熊本県熊本市で41日間、岡山県久世町で40日間。
日最高気温の月平均：大分県日田市で7月は36.0℃、京都市と多治見市で8月は35.7℃など、多くの地点で35℃以上を記録。
月平均気温：大阪府大阪市で8月は30.2℃、広島県広島市と岡山県笠岡市で7月は30.1℃など、国内で観測史上初めて30.0℃以上となる。
7月中旬から8月上旬の平均気温：大阪府大阪市で30.8℃、岡山県笠岡市で30.7℃、広島県広島市で30.6℃など、各地で30℃を超える。

脚注

この記録的な猛暑は、人々の生活に大きな影響を与え、熱中症による健康被害や農作物への影響も深刻でした。

関連項目

1993年米騒動
平成6年渇水
2007年の猛暑
2010年の猛暑
2013年の猛暑
2018年の猛暑
2023年の猛暑
2024年の猛暑

外部リンク

猛暑の記録

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