1995 FNS歌謡祭

1995年12月5日、フジテレビ系列にて放送された『1995 FNS歌謡祭』は、1978年から18年間司会を務めた露木茂にとって最後のFNS歌謡祭となりました。会場はグランドプリンスホテル新高輪『飛天』。

この年のFNS歌謡祭は、音楽シーンを席巻した小室ファミリーの面々が多数出演したことが大きな特徴です。安室奈美恵、内田有紀、H Jungle with t、華原朋美、globe、trf、観月ありさといった豪華な顔ぶれが、その時代の音楽シーンを象徴していました。

一方、ジャニーズ事務所からはSMAP、TOKIO、V6の3組が出演。TOKIOとV6にとっては、この番組がFNS歌謡祭初出演となりました。若手グループの躍進を象徴するような出演陣は、視聴者の大きな関心を集めたことでしょう。

さらに、フジテレビの音楽番組『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』から生まれたユニット、浜田雅功と小室哲哉によるH Jungle with tも、この年がFNS歌謡祭初出演でした。この異色のコラボレーションは、当時大きな話題となり、番組に独特なスパイスを加えたと言えるでしょう。

対照的に、演歌・歌謡曲勢は香西かおり1組のみの出演という構成でした。この出演者ラインナップは、当時の音楽シーンにおける多様性と、その変化の兆しを示唆しているのかもしれません。

司会は、長年番組を支えてきた露木茂と、楠田枝里子の二人。露木茂の最後の司会となったこの番組は、彼の長年の貢献を称える場にもなったと言えるでしょう。

音楽面では、武部聡志音楽団が演奏を担当。番組全体の音楽的なクオリティを支えました。制作陣も、井上信悟氏（制作）、玉井貴代志氏（構成）、広瀬健次郎氏（音楽）、水口昌彦氏、きくち伸氏（プロデューサー）、大前一彦氏（プロデューサー・演出）など、そうそうたるメンバーが名を連ねています。技術協力は八峯テレビ、共同テレビジョン、サンフォニックス、FLT、バリライトが担当。新高輪プリンスホテルの協力を得て、盛況のうちに幕を閉じました。

番組全体を通して、1995年という時代の音楽シーンを象徴する豪華なアーティスト、そしてその裏で番組を支えたスタッフたちの熱意が感じられる、記憶に残るFNS歌謡祭だったと言えるでしょう。 この年の番組は、小室ファミリー全盛期とジャニーズ勢の台頭、そしてベテラン司会者の世代交代といった、音楽業界の大きな転換期を捉えた象徴的な放送であったと言えるのではないでしょうか。 出演アーティストの顔ぶれは、まさに1995年の音楽シーンそのものであり、今振り返ってみても、その時の興奮と感動がよみがえってくるはずです。

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