1995年東京都知事選挙

1995年東京都知事選挙の詳細

1995年4月9日、東京都知事選挙が実施されました。この選挙は、第13回統一地方選挙の一環として行われ、4期16年という長きにわたり都知事を務めた鈴木俊一氏が引退したことに伴い、新たな都知事を選ぶ選挙として注目を集めました。

選挙の背景

選挙戦では、バブル景気時に鈴木都知事が推進した箱物行政の象徴である世界都市博覧会や東京臨海副都心開発の是非が大きな争点となりました。都議会の与党体制に対する不満も高まる中、様々な立場の候補者が立候補しました。

主な立候補者

岩國哲人: 前島根県出雲市長。独自の行政手腕が評価され、都議会の与党体制に不満を持つ勢力から擁立されました。
大前研一: 経営コンサルタントで、平成維新の会を立ち上げ、「新・薩長連合」をスローガンに掲げました。
石原信雄: 自民・社会・公明・自連が推薦し、さきがけが支持する、自治省出身で内閣官房副長官を務めた経験を持つ候補。鈴木都政の継承を掲げ、与党相乗りで出馬しました。
青島幸男: 無党派を標榜し、「世界都市博覧会中止・東京臨海副都心開発見直し」「破綻した2信組の救済反対」を主張。高い知名度を生かして選挙戦を展開しました。
黒木三郎: 日本共産党と社会党左派（新社会党）が擁立した早稲田大学法学部名誉教授で弁護士。
上田哲: 元NHK記者で、市民参加型行政への転換を訴え、社会党の一部の支持を受けて出馬しました。

選挙活動

告示日までに出馬を表明した候補は8名でした。選挙戦では、各候補者がそれぞれの政策や主張を訴え、都民の支持を求めました。

選挙結果

投票率は50.67%と、前回の選挙からわずかに低下しました。選挙戦では、当初、与党相乗りの石原候補が有力視されていましたが、結果として、無党派の青島幸男候補が他の有力候補を抑えて当選しました。石原候補は、出馬表明の遅れや知名度の低さが響き、支持を広げることができませんでした。

無党派層の注目

この選挙では、青島候補の当選に加え、大阪府知事選でも無党派の横山ノック氏が当選したことから、無党派層への注目が高まりました。この現象は、同年の流行語大賞に「無党派」がノミネートされるほど、社会現象となりました。

総括

1995年の東京都知事選挙は、長年都政を担ってきた鈴木知事の引退という大きな転換期に行われました。選挙戦では、与党相乗り候補、行政手腕が評価された候補、無党派を標榜する候補が激しく争い、その結果、無党派の青島氏が当選するという、これまでの都知事選とは異なる結果となりました。この選挙は、都民の政治に対する意識の変化や、無党派層の存在感を示す出来事として、その後の政治状況に大きな影響を与えました。

候補者別得票数

(実際のデータは省略)

脚注

東京都知事選 - 過去の選挙 朝日新聞デジタル

東京・青島 大阪・ノック知事誕生 - NHK放送史

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