1997 FNS歌謡祭

1997年12月11日、19時〜21時54分の時間枠で生放送された第26回『FNS歌謡祭』。この回は、数々の変化と話題性にあふれた、記念すべき放送回となりました。

まず、会場に関してですが、この年は前回に引き続き横浜アリーナで開催されました。しかし、この回をもって横浜アリーナでの開催は終了。翌年からは3年ぶりに『グランドプリンスホテル新高輪』が会場として使用されることとなりました。横浜アリーナでの開催は、この回が最後だったのです。

さらに大きな変化として、放送枠の変更が挙げられます。長年放送枠を提供してきた『火曜ワイドスペシャル』が9月23日に廃枠となり、11月18日には19時からの『まんが名作劇場　サザエさん』（再放送）も終了。その流れを受けて、10月より新たに設けられた木曜19時〜20時54分の『強力!木スペ120分』枠を借り切る形で、この『FNS歌謡祭』が放送されました。

そのため、通常放送されている『とんねるずのみなさんのおかげでした』も休止となり、19時〜21時54分の枠が『FNS歌謡祭』に充てられました。この木曜放送は、コンテスト時代を含めても実に22年半ぶり、コンサート時代としては初の試みであり、12月の第2木曜日に生放送された唯一の回という歴史的な意義も持っています。

そして、この年はさくらんぼテレビと高知さんさんテレビで初めて『FNS歌謡祭』が放送されたことも注目に値します。さくらんぼテレビは4月開局したばかり、高知さんさんテレビにおいては1992年度に山形テレビで放送されて以来4年ぶりの放送となりました。

出演者にも話題性がありました。演歌・歌謡曲の面々としては、香西かおり、長山洋子、藤あや子の3名が参加しました。一方、ジャニーズ事務所からは、SMAP、TOKIO、V6に加え、KinKi Kidsが出演。特にKinKi Kidsにとっては『FNS歌謡祭』初出演ということもあり、大きな注目を集めました。

司会は楠田枝里子と、当時フジテレビアナウンサーだった川端健嗣が務めました。

また、この1997年の『FNS歌謡祭』は、観客を入れた形式での放送としては、2014年まで最後のものでした。2015年以降は2DAYS方式となり、第2夜で観客を入れた放送が行われるようになりましたが、この1997年版は、単独での放送ながら、観客を入れての貴重な記録となっています。

スタッフロールには、制作：井上信悟、構成：玉井貴代志／高須晶子、音楽：広瀬健次郎、美術制作：石鍋伸一朗など、多くのスタッフの名前がクレジットされています。数多くのスタッフの努力によって、この歴史に残る一夜の歌謡祭が実現したのです。

このように、1997年の『FNS歌謡祭』は、会場、放送枠、そして出演者など、様々な点で大きな変化と話題性を持ち合わせた、記憶に残る放送回であったと言えるでしょう。

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