1998年のテレビ (日本)
1998年（平成10年）は、日本のテレビ放送において、激動ともいえる多くの出来事があった一年でした。年間を通じて、日本テレビが1994年から5年連続となる視聴率三冠王を達成しました。この年は、長野冬季オリンピックやFIFAワールドカップ・フランス大会といった世界的なスポーツイベントが開催され、国民の大きな関心を集め、テレビ中継は記録的な高視聴率を獲得しました。
2月に開催された長野オリンピックでは、NHKと民放が初めて共同で放送権を獲得するジャパンコンソーシアム方式が採用されました。連日熱戦の模様が中継され、ハイビジョン制作も積極的に行われたことで、後のスポーツ中継におけるハイビジョン技術の普及に大きく貢献したとして、ハイビジョンアウォード郵政大臣賞を受賞しています。6月のワールドカップフランス大会では、日本代表の初出場試合が高視聴率を連発し、特にクロアチア戦の中継はNHK総合で60.9%を記録。これは、ビデオリサーチが1962年に調査を開始して以来初めて、NHK紅白歌合戦以外の番組が年間最高視聴率を獲得するという歴史的な出来事となりました。
この年の春には、各局で報道・情報番組の大幅な改編が行われました。フジテレビでは、『おはよう!ナイスデイ』が『ナイスデイ』と改題してリニューアルし、夕方のニュース番組は『FNNニュース ザ・ヒューマン』から『FNNスーパーニュース』へと刷新されました。これに伴い、関西テレビのローカルニュース『アタック ザ・ヒューマン』も終了し、約20年間続いた『アタック』シリーズが幕を閉じました。テレビ朝日では、早朝に『早起き!チェック』が開始され、『やじうまワイド』が放送時間を拡大・リニューアル。TBSでは、平日正午にクイズ番組『おサイフいっぱいクイズ!QQQのQ』がスタートしましたが、わずか3ヶ月で打ち切りとなりました。その一方で、午後のワイドショー枠には新たに『ジャスト』が加わりました。これらの改編の波は多くの番組に及び、長年司会を務めた人々の交代が相次ぎました。特に『めざましテレビ』では、放送開始から司会を務めた八木亜希子アナウンサーが番組を離れることになりました。
人気バラエティ番組にも多くの動きがありました。日本テレビ系のドキュメントバラエティ『進め!電波少年』は『進ぬ!電波少年』にリニューアル。さらに姉妹番組として『雷波少年』も始まりました。味の素提供の長寿料理番組『ごちそうさま』は約27年の歴史に終止符を打ちました。フジテレビの恒例企画であった水泳バラエティシリーズや、『ドリフ大爆笑』のレギュラー放送が終了するなど、時代の節目を感じさせる出来事もありました。関西ローカルで毎日放送のアナウンサー総出演で親しまれた『あどりぶランド』も14年の歴史に幕を下ろしています。『ルックルックこんにちは』の司会を務めた岸部四郎氏が自己破産を理由に降板し、松永二三男アナウンサーに交代した一件や、『ズームイン!!朝!』で10年半司会を務めた福留功男氏が勇退し、福澤朗アナウンサーにバトンタッチした出来事も注目を集めました。
ドラマ分野では、フジテレビ系で水曜22時台に連続ドラマ枠が新設され、第一弾として江角マキコ主演の『ショムニ』がスタートし人気を博しました。夏クールに放送された反町隆史主演の関西テレビ制作ドラマ『GTO』は社会現象ともいえるヒットとなり、最終回は35.7%という高い視聴率を記録しました。
アニメ界では、勇者シリーズが『勇者王ガオガイガー』の最終回をもって8年間の歴史に幕を下ろしました。しかし、フジテレビで『ひみつのアッコちゃん』、テレビ東京系で『魔法のステージファンシーララ』が放送開始されるなど、魔女っ子アニメが相次いで復活しました。前年末のポケモンショックによる中断を経て、『ポケットモンスター』が約4ヶ月ぶりに放送を再開したことも大きなニュースでした。また、NHK教育テレビでは、現在も幅広い世代に愛される人気アニメ『おじゃる丸』がこの年に放送を開始しています。
テレビを取り巻くメディア環境にも変化がありました。3月末をもって、業界の自主規制に基づきタバコのCMが放送禁止となりました。5月にはCSデジタル衛星放送のパーフェクTV!とJスカイBが合併し、現在のスカパー!となるスカイパーフェクTV!が誕生。7月にはフジテレビがCS放送に初参入し、有料チャンネル「フジテレビ721」（現在のフジテレビTWO）を開局したほか、アニメ専門チャンネルのアニマックスも開局するなど、多チャンネル化が進展しました。和歌山で発生した毒物カレー事件は、ニュースやワイドショーで連日大きく報道され、食品関連のCMや料理番組に一時的な影響を及ぼしました。
番組以外の話題としては、フジテレビがテレビ局初のファンクラブ「フジテレビクラブ」を発足させたことや、テレビ東京が青と赤を基調とした新たなCIロゴに変更したことなどがあります。また、テレビ界を長年支えた著名人の訃報も相次ぎました。『開運!なんでも鑑定団』の鑑定士を務めた日本画家の渡邉包夫氏や、長年『日曜洋画劇場』の解説で親しまれた映画評論家の淀川長治氏が亡くなりました。一方で、日本を訪問したビル・クリントンアメリカ合衆国大統領がTBSのタウンミーティングに出演し、特別番組として放送されたことは大きな注目を集めました。人気特別番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』が6年ぶりに復活し、番組の顔であった福留功男氏と徳光和夫氏が揃って出演したことも話題となりました。
この1998年は、NHKテレビジョン放送開始45周年や日本テレビ開局45周年をはじめ、多くの放送局が開局・放送開始の節目を迎えました。また、『大河ドラマ』や『キユーピー3分クッキング』といった長寿番組が周年記念を迎えたほか、『笑点』『笑っていいとも!』『クローズアップ現代』などの人気番組が記念回を放送するなど、テレビ放送の歴史が積み重ねられた一年でもありました。
スポーツ中継の歴史的視聴率、大規模な番組改編、そしてメディア環境の変化など、1998年は日本のテレビ放送にとって、多様な動きが見られた記憶に残る一年でした。
2月に開催された長野オリンピックでは、NHKと民放が初めて共同で放送権を獲得するジャパンコンソーシアム方式が採用されました。連日熱戦の模様が中継され、ハイビジョン制作も積極的に行われたことで、後のスポーツ中継におけるハイビジョン技術の普及に大きく貢献したとして、ハイビジョンアウォード郵政大臣賞を受賞しています。6月のワールドカップフランス大会では、日本代表の初出場試合が高視聴率を連発し、特にクロアチア戦の中継はNHK総合で60.9%を記録。これは、ビデオリサーチが1962年に調査を開始して以来初めて、NHK紅白歌合戦以外の番組が年間最高視聴率を獲得するという歴史的な出来事となりました。
この年の春には、各局で報道・情報番組の大幅な改編が行われました。フジテレビでは、『おはよう!ナイスデイ』が『ナイスデイ』と改題してリニューアルし、夕方のニュース番組は『FNNニュース ザ・ヒューマン』から『FNNスーパーニュース』へと刷新されました。これに伴い、関西テレビのローカルニュース『アタック ザ・ヒューマン』も終了し、約20年間続いた『アタック』シリーズが幕を閉じました。テレビ朝日では、早朝に『早起き!チェック』が開始され、『やじうまワイド』が放送時間を拡大・リニューアル。TBSでは、平日正午にクイズ番組『おサイフいっぱいクイズ!QQQのQ』がスタートしましたが、わずか3ヶ月で打ち切りとなりました。その一方で、午後のワイドショー枠には新たに『ジャスト』が加わりました。これらの改編の波は多くの番組に及び、長年司会を務めた人々の交代が相次ぎました。特に『めざましテレビ』では、放送開始から司会を務めた八木亜希子アナウンサーが番組を離れることになりました。
人気バラエティ番組にも多くの動きがありました。日本テレビ系のドキュメントバラエティ『進め!電波少年』は『進ぬ!電波少年』にリニューアル。さらに姉妹番組として『雷波少年』も始まりました。味の素提供の長寿料理番組『ごちそうさま』は約27年の歴史に終止符を打ちました。フジテレビの恒例企画であった水泳バラエティシリーズや、『ドリフ大爆笑』のレギュラー放送が終了するなど、時代の節目を感じさせる出来事もありました。関西ローカルで毎日放送のアナウンサー総出演で親しまれた『あどりぶランド』も14年の歴史に幕を下ろしています。『ルックルックこんにちは』の司会を務めた岸部四郎氏が自己破産を理由に降板し、松永二三男アナウンサーに交代した一件や、『ズームイン!!朝!』で10年半司会を務めた福留功男氏が勇退し、福澤朗アナウンサーにバトンタッチした出来事も注目を集めました。
ドラマ分野では、フジテレビ系で水曜22時台に連続ドラマ枠が新設され、第一弾として江角マキコ主演の『ショムニ』がスタートし人気を博しました。夏クールに放送された反町隆史主演の関西テレビ制作ドラマ『GTO』は社会現象ともいえるヒットとなり、最終回は35.7%という高い視聴率を記録しました。
アニメ界では、勇者シリーズが『勇者王ガオガイガー』の最終回をもって8年間の歴史に幕を下ろしました。しかし、フジテレビで『ひみつのアッコちゃん』、テレビ東京系で『魔法のステージファンシーララ』が放送開始されるなど、魔女っ子アニメが相次いで復活しました。前年末のポケモンショックによる中断を経て、『ポケットモンスター』が約4ヶ月ぶりに放送を再開したことも大きなニュースでした。また、NHK教育テレビでは、現在も幅広い世代に愛される人気アニメ『おじゃる丸』がこの年に放送を開始しています。
テレビを取り巻くメディア環境にも変化がありました。3月末をもって、業界の自主規制に基づきタバコのCMが放送禁止となりました。5月にはCSデジタル衛星放送のパーフェクTV!とJスカイBが合併し、現在のスカパー!となるスカイパーフェクTV!が誕生。7月にはフジテレビがCS放送に初参入し、有料チャンネル「フジテレビ721」（現在のフジテレビTWO）を開局したほか、アニメ専門チャンネルのアニマックスも開局するなど、多チャンネル化が進展しました。和歌山で発生した毒物カレー事件は、ニュースやワイドショーで連日大きく報道され、食品関連のCMや料理番組に一時的な影響を及ぼしました。
番組以外の話題としては、フジテレビがテレビ局初のファンクラブ「フジテレビクラブ」を発足させたことや、テレビ東京が青と赤を基調とした新たなCIロゴに変更したことなどがあります。また、テレビ界を長年支えた著名人の訃報も相次ぎました。『開運!なんでも鑑定団』の鑑定士を務めた日本画家の渡邉包夫氏や、長年『日曜洋画劇場』の解説で親しまれた映画評論家の淀川長治氏が亡くなりました。一方で、日本を訪問したビル・クリントンアメリカ合衆国大統領がTBSのタウンミーティングに出演し、特別番組として放送されたことは大きな注目を集めました。人気特別番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』が6年ぶりに復活し、番組の顔であった福留功男氏と徳光和夫氏が揃って出演したことも話題となりました。
この1998年は、NHKテレビジョン放送開始45周年や日本テレビ開局45周年をはじめ、多くの放送局が開局・放送開始の節目を迎えました。また、『大河ドラマ』や『キユーピー3分クッキング』といった長寿番組が周年記念を迎えたほか、『笑点』『笑っていいとも!』『クローズアップ現代』などの人気番組が記念回を放送するなど、テレビ放送の歴史が積み重ねられた一年でもありました。
スポーツ中継の歴史的視聴率、大規模な番組改編、そしてメディア環境の変化など、1998年は日本のテレビ放送にとって、多様な動きが見られた記憶に残る一年でした。
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