1998年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

1998年のメジャーリーグベースボール、ポストシーズンのクライマックスとして、ナショナルリーグ優勝決定シリーズが9月29日に開幕しました。このシリーズは、レギュラーシーズンで圧倒的な強さを見せたアトランタ・ブレーブスと、下馬評を覆して地区シリーズを勝ち抜いたサンディエゴ・パドレスによる対戦となりました。

両チームはレギュラーシーズンで9試合対戦しており、ブレーブスが5勝4敗と勝ち越していました。リーグ優勝決定シリーズでは、前年までとは異なる新しいルールが適用されました。地区優勝チーム同士の対戦では、レギュラーシーズンの勝率の高いチームがホームフィールドアドバンテージを得ることになったのです。そのため、106勝を挙げたブレーブスが、ホームゲームを多く行えるという有利な立場にありました。

シリーズは10月7日にアトランタのターナー・フィールドで開幕。その後、サンディエゴのクアルコム・スタジアムを挟みながら、計6試合に渡る熱戦が繰り広げられました。パドレスは、地区シリーズで102勝のヒューストン・アストロズを破り、勢いに乗ってこのシリーズに臨みました。対するブレーブスは、106勝という圧倒的な成績でシーズンを終えていたにも関わらず、パドレスの勢いを止めることができませんでした。

シリーズは、パドレスが4勝2敗で制しました。特にパドレスのスターリング・ヒッチコック投手の活躍が光りました。彼は第3戦と第6戦に先発登板し、10イニングを投げて2勝0敗、防御率0.90という素晴らしい成績を残しました。彼の活躍がパドレスの勝利に大きく貢献したことは間違いなく、見事シリーズMVPに輝きました。レギュラーシーズンで100勝以上を挙げたチームをポストシーズンで2度破ったのは、1988年のロサンゼルス・ドジャース以来10年ぶり2チーム目の快挙でした。

しかし、この勝利はパドレスにとって、喜びと同時に大きな悲しみを孕んでいました。彼らはナショナルリーグ優勝を果たし、念願のワールドシリーズ進出を果たしたものの、ワールドシリーズではレギュラーシーズン114勝のニューヨーク・ヤンキースに0勝4敗で敗れてしまいました。球団創設30年目にして初の優勝を逃すという、悔しい結果に終わりました。一方、ブレーブスはレギュラーシーズン106勝という素晴らしい成績にもかかわらず、ワールドシリーズ進出を逃すという、歴史に名を刻む不運に見舞われました。レギュラーシーズン106勝でワールドシリーズ進出を逃したのは、史上初のことでした。

この1998年のナショナルリーグ優勝決定シリーズは、両チームにとって、そしてメジャーリーグの歴史においても記憶に残る、ドラマチックなシリーズとなりました。パドレスの躍進と、ブレーブスのまさかの敗退、そしてシリーズを彩った選手たちの活躍は、多くの野球ファンの心に深く刻まれたことでしょう。

1998年のナショナルリーグ優勝決定戦の日程と結果は次の通りです。

第1戦：10月7日　ターナー・フィールド（アトランタ）　ブレーブス ○ vs ✕ パドレス
第2戦：10月8日　ターナー・フィールド（アトランタ）　ブレーブス ○ vs ✕ パドレス
第3戦：10月10日　クアルコム・スタジアム（サンディエゴ）　ブレーブス ✕ vs ○ パドレス
第4戦：10月11日　クアルコム・スタジアム（サンディエゴ）　ブレーブス ✕ vs ○ パドレス
第5戦：10月12日　クアルコム・スタジアム（サンディエゴ）　ブレーブス ✕ vs ○ パドレス
第6戦：10月14日　ターナー・フィールド（アトランタ）　ブレーブス ✕ vs ○ パドレス

このシリーズを通して、両チームの選手たちは、その実力と、勝利への強い意志を改めて世界に示しました。そして、このシリーズの結果は、野球史に永遠に刻まれることでしょう。

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