1998年の読売ジャイアンツ

1998年の読売ジャイアンツのシーズンレビュー

1998年は読売ジャイアンツにとって、長嶋茂雄監督体制による6年目となる特異なシーズンでした。前年の優勝チーム、東京ヤクルトとの対戦から始まりましたが、オープニング3連戦での全勝スタートにもかかわらず、開幕からの勢いを維持することはできませんでした。開幕後5連勝を記録し、期待が高まるも、4月末の3連敗と4連敗で足踏みし、首位に立つ横浜ベイスターズとの差が広がってしまいました。

このシーズン、チームはじわじわと貯金を増やしながらも、横浜が7割超の勝率を誇る中、巨人は7勝12敗という結果に終わり、勝率は3割台に沈みました。投手陣においては、桑田真澄が最多勝争いに絡む活躍を見せる一方、斎藤雅樹も前年の不振からの復調を見せました。しかし、期待された抑えの投手としてトレード移籍した野村貴仁や金石昭人は不調に苦しみ、先発投手の槙原寛己が急遽ストッパーに転向する事態に。

長嶋監督がエースと期待した趙成珉もオールスターゲームでの故障によって離脱し、さらにバルビーノ・ガルベスは乱闘事件を引き起こし、シーズンの残り試合で出場停止の措置を受けるなど、波乱の展開が続きました。代わりに先発に配置された入来祐作は好成績を収めましたが、若手の岡島秀樹や小野仁のパフォーマンスが期待外れで、チームは順位を維持できませんでした。

8月以降はヤクルトとのAクラス争いに明け暮れるも、9月に突入すると巨人は15勝6敗と勝ち越し、ヤクルトとの差を何とか掻い潜ることが出来ましたが、最終的には3位でのフィニッシュとなりました。この年、ドラフト1位で入団した高橋由伸が7月には5番に定着し、松井秀喜、清原和博との「MKT砲」が話題となる一幕もありました。

また、このシーズンの終盤には長嶋監督の去就が取りざたされ、一時は辞任の報道もありましたが、9月12日には続投が決まったことでファンは安堵しました。シーズン後には原辰徳がヘッドコーチに就任することも発表され、来年に向けた期待が寄せられることとなります。

チーム成績

レギュラーシーズン

巨人は多くの波乱があったものの、個々の選手の活躍も際立っていました。特に松井秀喜は34本塁打を放ち、本塁打王と打点王、さらには最高出塁率のタイトルを獲得し、リーグでの存在感を示しました。桑田真澄も最高勝率を記録し、安定したピッチングを続けました。

シーズンを通じて、多くの出来事がありましたが、その中でも特に注目されたのは「ガルベス事件」で、これはプロ野球史上初の警告試合として名を残しました。長嶋監督はその影響を受けて髪を丸め、選手たちへの指導の一環としての決意を示しました。

表彰選手

• - 本塁打王：松井秀喜（34本、初受賞）
• - 打点王：松井秀喜（100打点、初受賞）
• - 最高出塁率：松井秀喜（.421、初受賞）
• - 最高勝率：桑田真澄（.762、初受賞）
• - ベストナイン：松井秀喜（外野手、4年連続4度目）
• - ゴールデングラブ賞：桑田真澄（投手、2年連続7度目）、高橋由伸（外野手、初受賞）

以上のように、多くの出来事と選手の活躍が詰まった1998年の読売ジャイアンツのシーズンでした。

もう一度検索