1/350スケール

1/350スケール模型の世界

1/350スケールは、主に艦船模型に用いられる縮尺で、2000年代半ば以降、多くの模型メーカーが採用しています。1/700スケールの2倍の大きさで、艦船や艦載機をより精密に再現できる点が特徴です。ここでは、1/350スケールの歴史、各社の製品展開、他のスケールとの比較、そして艦船以外の模型について詳しく解説します。

1/350スケールの歴史

1970年代以前、艦船模型のスケールは統一されておらず、各メーカーが独自の縮尺で製品を展開していました。その中で、1/350スケールを初めてシリーズ展開したのは日本のイマイで、1977年から78年にかけて帆船を発売しました。当時、主流だった1/700スケールでは小さすぎるため、単純に2倍の大きさに設定されました。イマイの廃業後、一部はアオシマから再発売されています。

次に1/350スケールに参入したのはタミヤで、1978年から1986年までに戦艦大和など大型艦を製品化しました。その後、ドラゴンモデルズが潜水艦や現用艦を、トランペッターが中国海軍艦艇やアメリカ空母を発売し、旧ソ連・東欧圏のメーカーも参入しました。しかし、2000年代前半までは、製品数は少なく、マイナーなスケールでした。

状況が大きく変わったのは、2005年にハセガワが「戦艦三笠」を発売したことです。このキットは、最新技術と考証で詳細に模型化され、高い人気を博しました。これを機に、各社が1/350スケールで有名艦船を次々と製品化し、ブームが始まりました。

ハセガワは「雪風」、「宗谷」と続き、戦艦長門、空母赤城などの大型艦を発売しました。アオシマはアイアンクラッドシリーズで重巡洋艦や戦艦を製品化し、フジミも金剛型戦艦で参入しました。タミヤも製品開発を再開し、伊-400潜水艦や戦艦大和を発売しました。

海外メーカーも追随し、ドラゴンモデルズはアメリカ艦を、トランペッターは各国艦船を多数発売しました。ドイツレベルやエアフィックスも参入し、1/350スケールは世界的なブームとなりました。

現在の1/350スケール

2015年現在、1/350スケールで艦船模型を発売しているメーカーは多数存在し、国際的に艦船模型の主流スケールの一つとなっています。また、ディテールアップ用のパーツも豊富に発売されています。

1/350スケールの艦船模型は、1/700スケールに比べて大きく、細部の作り込みがしやすいため、より精密な模型製作を楽しむことができます。例えば、1/350スケールの三笠は全長約38cmで、1/700スケールの戦艦大和とほぼ同じ大きさですが、手すりや機銃などの装備品はより細かく表現できます。また、重巡洋艦クラスで約60cm、戦艦や空母では75cmを超え、大型精密模型として位置づけられます。

近年では、1/700スケールと1/350スケールの中間を狙った1/500スケール|1_500スケールや1/450スケールの製品も登場しています。

艦船以外の模型

1/350スケールは、艦船模型以外にも、城郭などの建築物模型や、艦載機などの航空機模型があります。かつてはジャンボジェット機などが発売されていましたが、現在では艦船模型のアクセサリーとしての位置づけで、艦載機や軍用車両が発売されています。また、ダイキャスト製の旅客機模型も一部のメーカーから発売されています。

SF・キャラクターモデルでは、宇宙戦艦ヤマトやサンダーバードシリーズの模型が1/350スケールで製品化され、話題となりました。アメリカのメーカーからは、スタートレックや原子力潜水艦シービュー号の模型も発売されています。

まとめ

1/350スケールは、精密なディテール表現が可能なため、艦船模型を中心に多くのモデラーに支持されています。2000年代半ば以降、多くのメーカーが参入し、豊富なラインナップが展開されています。艦船模型だけでなく、建築物や航空機、SF・キャラクターモデルも存在し、幅広いジャンルで楽しむことができるスケールです。

もう一度検索