ドラゴンモデルズ

ドラゴンモデルズ（Dragon Models Limited 、DML）は、香港に拠点を置く模型メーカーで、ユニバーサル・モデルズ（Universal Models Ltd. ）の関連企業です。創設者のフレデリック・リャンは、現在も同社の社長を務めています。主力製品は1/35スケールの戦車模型で、その精密な再現度から世界中のモデラーに愛されています。

創業と初期の製品

1987年に設立されたドラゴンモデルズは、当初1/144スケールの航空機模型を主力としていました。当時、このスケールの模型は子供向けの製品が多かったため、同社の参入は歓迎されました。1990年代に入ると、1/35スケールの戦車模型市場に参入し、最初に発売したT-72は話題を呼びました。当時、ソ連製兵器の資料が少なかったため、考証面での批判は少なかったものの、湾岸戦争の影響もあり、注目を集めました。

第二次世界大戦アイテムへの挑戦

その後、スカッドミサイル搭載TELなどの大型AFVや、これまで製品化されていなかった第二次世界大戦中の車両（ナースホルンなど）のキットも開発されました。初期のキットは、当時の技術力から大戦物モデラーの要求を満たすには至りませんでした。

日本人設計者の参加と品質向上

1993年には、一部キットの設計に日本人モデラーが参加し、製品の品質が向上しました。しかし、考証面でのトラブルが発生し、専門誌との間で論争になることもありました。その後、細かなパーツ分割、スライド金型の多用、金属製砲身やエッチングパーツの標準装備など、「アフターパーツ不要」な製品を開発し、モデラーから絶大な支持を得るようになりました。タミヤのミリタリーミニチュアシリーズと人気を二分するほどになっています。特にフィギュアの「Gen2」シリーズは、顔や袖口まで分割された高い再現性が評価されています。

スマートキットとプレミアム・エディション

2006年には、組み立てやすさを重視した「スマートキット」シリーズをスタートさせました。同時に、既存キットに新金型パーツや金属パーツを追加した「プレミアム・エディション」も展開しています。1/72や1/144の軍用車両キット、1/400旅客機完成品など、幅広い製品を開発しています。

アクション[[フィギュア]]への参入

1999年からは1/6スケールのアクション[[フィギュア]]市場にも参入しました。それまで玩具として扱われていたアクション[[フィギュア]]に、スケールモデル的なアプローチを取り入れ、トップブランドの地位を確立しました。リアルなフィギュアヘッドや精巧な装備品が人気です。

ロボコンのフィギュア

同時期には香港でロボコンブームが再燃し、日本で商品展開されていなかったロボコンのフィギュアを、50cmの特大ソフビやプラモデル、ダイキャストトイなど豊富なラインナップで展開しました。

関連ブランド・輸入代理店

ドラゴンモデルズは、中国国内向けの上海威龍やアメリカのDragon Model USAなどの関連会社を持っています。上海威龍は、香港版にはないオリジナルキットや、旧キットの再販などを手がけています。オンライン販売専門ブランド「サイバーホビー」では、一般流通が難しいマイナーな車両やパーツをリリースしています。また、ミリタリー系資料集として評価の高い「コンコルド出版」も関連会社です。日本では、プラッツがドラゴンモデルズ製品全般の輸入・販売を担当しています。

その他の情報

また、過去にはグンゼ産業（現・GSIクレオス）やイタレリ、アランホビー（現・アラン）等と提携し、OEM生産や一部金型を共有した「インペリアルシリーズ」も発売していました。初期製品のT-72などの金型は、ロシアのズベズダに移管されています。

関連項目

ハセガワ
青島文化教材社
童友社
プラッツ
ドイツレベル
ズヴェズダ
GSIクレオス
イタレリ
アラン
フジエアー

外部リンク

Dragon Models Limited - 公式HP
DRAGON MODELS USA - 子会社のDRAGON MODELS USA公式HP
* cyber-hobby.com - サイバーホビー公式HP

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