2000 JOE

大江千里のベストアルバム『2000 JOE』は、彼の音楽キャリアの初期16年間を総括する作品として1999年12月1日にリリースされました。このアルバムは、大江自身が「自分の1000年代をくくるベスト」と位置づけており、彼のデビューから16年間に発表された楽曲の中から厳選された18曲を収録しています。

収録曲は、発売順に並べられており、大江千里の音楽的な変遷を辿ることができます。また、一部の楽曲にはリミックスが施され、新たな魅力を引き出しています。特に「GLORY DAYS」は、ボーカルはオリジナルをそのまま使用していますが、演奏を新たに録り直すことで、楽曲に新たな息吹を吹き込んでいます。

収録曲としては、デビュー・シングル『ワラビーぬぎすてて』のカップリング曲である「天気図 ['99MIX]」や、3rdシングルの「ふたつの宿題」、3rdアルバム『未成年』収録曲の「プールサイド」など、初期の代表曲が収録されています。また、4thアルバム『乳房』収録曲であり、9thシングルでもある「コスモポリタン ['99MIX]」は、ドラムを新たに作り直し、4種類のループを入れ替えるという大胆なリミックスが施されています。

さらに、5thアルバム『AVEC』収録曲の「マリアじゃない」、6thアルバム『OLYMPIC』収録曲の「エールをおくろう」といった人気曲も収録。14thシングル「GLORY DAYS [NEW]」は、前述の通り、演奏が新たにレコーディングされています。7thアルバム『1234』収録曲の「Rain」、8thアルバム『redmonkey yellowfish』収録曲の「いつかきっと [NEW]」は、お蔵入りとなっていたストリングスバージョンが採用され、ボーカルも新たにレコーディングされています。

その他、9thアルバム『APOLLO』収録曲であり、22ndシングル『あいたい』のカップリング曲でもある「星空に歩けば」、10thアルバム『HOMME』収録曲の「遠く離れても」、25thシングルであり、大江が出演したTBS系金曜ドラマ『十年愛』の主題歌である「ありがとう」なども収録されています。

アルバム後半には、12thアルバム『Giant Steps』収録曲の「ある雨の朝 ['99MIX]」、13thアルバム『SENRI HAPPY』収録曲の「Echo ['99MIX]」、14thアルバム『ROOM 802』収録曲の「Dubidubiduo ['99MIX]」といった楽曲のリミックスバージョンが収録されています。また、37thシングル『New Republic!/秋唄』の2曲目であり、NHK『みんなのうた』放送曲でもある「秋唄」は、冒頭に大江が自宅で録音した蝉の鳴き声が追加されています。38thシングル「野球の夏」は、アルバム初収録となっています。

アルバムの最後を飾るのは、翌年に発売された15thアルバム『Solitude』の表題曲をピアノで演奏したインストゥルメンタル「Solitude [Instrumental]」です。

このアルバムには、大江千里の音楽を支えてきた数多くのミュージシャンが参加しています。ギターには大村憲司、佐橋佳幸、松原正樹などが、ベースには富倉安生、高水健司、伊藤広規などが、ドラムスには青山純、山木秀夫、島村英二などが参加しています。また、キーボードには大村雅朗、中村哲、西本明などが、ストリングスには金子飛鳥、加藤JOEなどが参加し、アルバムに彩りを添えています。

『2000 JOE』は、大江千里の音楽の魅力を凝縮した、まさにベスト・オブ・ベストと言える作品です。

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