2000年のオールスターゲーム (日本プロ野球)

2000年のプロ野球オールスターゲーム

2000年7月に開催されたプロ野球オールスターゲームは、20世紀の締めくくりを飾る球宴として注目されました。この年の対戦は、前年の日本シリーズを制した福岡ダイエーホークスを率いる王貞治監督がパシフィック・リーグ選抜（全パ）を、セントラル・リーグ優勝の中日ドラゴンズを指揮する星野仙一監督がセントラル・リーグ選抜（全セ）を率いる形で実現しました。

特別な指揮官たち

全セのコーチには、読売ジャイアンツの長嶋茂雄監督と横浜ベイスターズの権藤博監督が就任。特に、全パの王監督と全セの長嶋コーチという、かつて「ON砲」として一時代を築いた両雄が、ユニフォーム姿でオールスターの舞台に揃い踏みするのは1979年以来となり、多くの野球ファンの関心を集めました。

日程変更とその背景

当初、第3戦は7月25日に予定されていましたが、6月16日に逝去された皇太后の斂葬の儀が執り行われることになり、これに伴って第3戦は翌日の7月26日に順延されました。

試合結果と記録的な連勝

この年のオールスターは、全セが3連勝を飾り幕を閉じました。これは、1997年の第2戦から続く全セの連勝を「8」に伸ばすもので、オールスターゲームにおける新記録となりました。さらに、2年続けて全試合を勝利するという「2年連続3連勝」は、オールスター史上初の快挙となりました。

注目を集めた選手選考と活躍

全セには、読売ジャイアンツのドミンゴ・マルティネス、中日ドラゴンズのレオ・ゴメス、横浜ベイスターズのロバート・ローズといった外国人選手が選出されました。外国人枠の関係で、前半戦に目覚ましい活躍を見せていたヤクルトスワローズの主砲、ロベルト・ペタジーニが当初メンバーから漏れるという事態が発生しましたが、マルティネス選手の故障による出場辞退を受けて、ペタジーニ選手が補充選手として選ばれました。また、読売ジャイアンツの江藤智選手が故障のため出場を辞退した際には、同じ巨人の清原和博選手が代替選手として選ばれています。

特筆すべきは、補充選手として出場することになったペタジーニ選手と清原選手が、それぞれ第1戦、第3戦で最優秀選手（MVP）に輝いたことです。本来の選考基準からは外れた選手が、その実力を見せつけ最高の結果を残したことは、この年のオールスターを象徴する出来事となりました。

記録に残るプレーと出来事

この大会では、いくつかの記録が生まれています。第2戦では、全パの千葉ロッテマリーンズ・小林雅英投手が、1イニングで7失点を喫し、当時のオールスター記録（タイ記録）となりました。一方で、「お祭り男」として知られる清原和博選手は、第3戦のMVP獲得により、オールスター史上最多となる7度目のMVP受賞を果たしました。

また、中日ドラゴンズからは、エディ・ギャラード投手、メルビン・バンチ投手、レオ・ゴメス選手の外国人選手3名が同時にオールスター初出場を果たしました。同一球団から3名の外国人選手が同時に初めてオールスターの舞台に立つのは、2011年10月時点ではこの年限りという珍しい記録でした。

開催球場に関するエピソード

第2戦の開催地となったグリーンスタジアム神戸（現在のほっともっとフィールド神戸）は、この年を最後にプロ野球オールスターゲームの開催地リストから一旦外れています。

各試合の結果

第1戦
開催日：7月22日
球場：東京ドーム
観衆：40,917人
MVP：ロベルト・ペタジーニ（ヤクルト）
優秀選手賞：ローズ（横浜）、古田（ヤクルト）、城島（ダイエー）、小久保（ダイエー）

第2戦
開催日：7月23日
球場：グリーンスタジアム神戸
観衆：28,538人
MVP：山﨑武司（中日）
優秀選手賞：藪（阪神）、坪井（阪神）、高橋由（巨人）、イチロー（オリックス）

第3戦
開催日：7月26日
球場：長崎ビッグNスタジアム
観衆：17,929人
MVP：清原和博（巨人）
優秀選手賞：工藤（巨人）、新庄（阪神）、古田（ヤクルト）、イチロー（オリックス）

出場辞退と補充選手

怪我などにより、以下の選手が出場を辞退し、代替選手が選ばれました。

上原浩治（巨人）：左大腿部肉離れのため辞退
佐々岡真司（広島）：左側腹部肉離れのため辞退 → 代わりに遠山奬志（阪神）を選出
江藤智（巨人）：左肋軟骨損傷のため辞退 → 代わりに清原和博（巨人）を選出
ドミンゴ・マルティネス（巨人）：腹筋損傷のため辞退 → 代わりにロベルト・ペタジーニ（ヤクルト）を選出
川越英隆（オリックス）：腰椎椎間板症のため辞退 → 代わりに戎信行（オリックス）を選出
石井浩郎（巨人）：左手橈骨遠位端骨折のため辞退 → 代わりに松中信彦（ダイエー）を選出

テレビ・ラジオ中継

各試合は地上波テレビおよびラジオで全国に中継され、多くのファンがこの特別な球宴を楽しみました。

テレビ中継
第1戦：日本テレビ系列
第2戦：フジテレビ・関西テレビ系列
第3戦：日本テレビ系列（長崎国際テレビ制作協力）
ラジオ中継
第1戦：NHKラジオ第1、TBSラジオ（JRN）、文化放送（NRN）、ニッポン放送（MBSにもネット）、ラジオ日本
第2戦：NHKラジオ第1、朝日放送（JRN）、ラジオ大阪（NRN）、毎日放送（ニッポン放送にもネット）、ラジオ日本
第3戦：NHKラジオ第1、RKB毎日放送（JRN）、文化放送、ニッポン放送、ラジオ日本

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