2000年のラジオ (日本)

2000年は、日本のラジオ界にとって動きの多い一年でした。新たな放送局が開局する一方、多くの番組が誕生し、また歴史に幕を下ろしました。

この年、新たに開局した放送局が二つあります。まず4月1日には、愛知県をサービスエリアとする愛知国際放送が開局しました。日本で8番目のメガヘルツ放送局として期待されましたが、残念ながら2010年に閉局しています。また、12月20日には新潟県を拠点とする新潟県民エフエム放送が開局しました。こちらもその後、2020年に閉局しています。新規開局は、その地域のリスナーにとって新たな選択肢が増える喜ばしい出来事ですが、経営難などにより姿を消すケースもあることを示しています。

番組の動向を見ると、例年通り春と秋の改編期に多くの変化がありました。2000年春、特に3月下旬から4月にかけて、NHK、民放各局で新番組がスタートしました。NHKラジオ第1放送では、3月27日に「おしゃべりクイズ疑問の館」や「のこしたいふるさとのことば」が始まり、4月には「ラジオコメディー みんな大好き!」や「土曜ほっとタイム」が登場。NHKラジオ第2放送でも「はなす きく よむ」がスタートするなど、教養やエンターテインメントの幅広い分野で新しい試みが見られました。NHK-FM放送では、「クラシックセレクション」「名曲リサイタル」「ミュージックメモリー」「ワールドミュージックタイム」といった音楽番組が新たに加わりました。

民放に目を移すと、ニッポン放送では3月18日に、後に長寿番組となる福山雅治さんがパーソナリティを務める「福山雅治のallnightnippon Saturday Special 魂のラジオ」が放送を開始しました。TBSラジオでは、4月8日に小堺一機さんの冠番組「小堺一機のサタデーウィズ」が、秋の10月には人気お笑いコンビ、極楽とんぼの「極楽とんぼの吠え魂」（10月7日）や、パーソナリティとして高い評価を得ている伊集院光さんの「伊集院光 日曜日の秘密基地」（10月8日）といった深夜や週末の注目番組が始まりました。文化放送では4月3日に「純喫茶・谷村新司」が、TOKYO FMでは4月7日に広末涼子さんの番組「広末涼子のRHラブ・アンリミテッド」がスタートするなど、著名人がパーソナリティを務める番組が人気を集めました。

この他にも、MBSラジオでは4月8日に「おはようゴールデンエイジ」、10月には「こんちわコンちゃん2時ですょ!」（10月2日）、「桂坊枝の駅前生出し大放送」（10月6日）、「鋭ちゃんのあさいちラジオ」（10月7日）といった帯番組やワイド番組が多数開始され、ラジオ大阪では10月7日に「きみえの!ラジオ虫」、FM香川では10月2日に「Powerful Radio パワラジ!」、RKB毎日放送では4月25日に「大庭宗一の博多熱風塾」、熊本放送では4月3日に「桂木まやのハイ!ホー!お昼です」、CBCラジオでは6月5日に「ランチタイムラジオ 聞けばツー快!」などがそれぞれ放送を開始しました。これらの番組は、地域の情報発信やリスナーとの交流を深める役割を担いました。

一方で、長年親しまれた番組が終了する寂しい出来事もありました。例えば、STVラジオでは9月29日に「竹丸・はなこの花まる金曜日」が最終回を迎え、多くのリスナーに惜しまれました。

番組の開始や終了の他にも、各放送局の開局周年や番組の記念回、あるいは災害や社会的な出来事に関連した特別番組なども放送され、ラジオはその時々の社会状況を映し出すメディアとしての役割を果たしました。2000年は、このように新たな局の誕生から、多種多様な番組の入れ替わりまで、日本のラジオ界が活発に動き続けた一年だったと言えるでしょう。

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