2000年カナダ総選挙

2000年カナダ総選挙

2000年11月27日に実施されたカナダ総選挙は、611の議席を持つ庶民院の議員を選出する重要な選挙でした。この選挙は、当時の首相ジャン・クレティエンが自らの政権に対する不安を感じ、与党・自由党内の異議を押し切って庶民院を解散させたことを契機に行われました。これにより、議会の任期は通常の5年よりも約1年半早く終わりました。

この選挙において自由党は圧倒的な勝利を収め、ジャン・クレティエンは第2次世界大戦後のカナダ政界において初めて三期連続で政権を担うことに成功しました。彼のリーダーシップと政策が支持を得た形となり、自由党は301議席中172議席を獲得し、安定した勢力を誇示しました。

基礎データと選挙結果

この選挙に参加した有権者は21,243,473名以上で、実際に投票を行ったのは約12,997,185名、投票率は61.2%という結果でした。これは、選挙における高い関心を示しており、特に自由党への支持が集まりました。

結果として自由党は、最大票田のオンタリオ州で103議席中100議席を獲得し、クレティエンに対する人気が比較的低かったケベック州でも、分離独立を掲げるブロック・ケベコワを得票数で上回る結果を残しました。選挙前から11議席を追加し、庶民院の過半数を大きく上回る数に達しました。

一方、カナダ改革党を元にして1月に結成された堅固な保守派のカナダ同盟は、西部の州では圧勝を収めましたが、ケベック州や大西洋岸の州では盛り上がりに欠けて議席数を減らしてしまいました。最終的に、同盟は66議席を獲得という結果に終わりました。

ブロック・ケベコワは前回の選挙から6議席減の38議席を得た仕切り直しになりました。また、社会民主主義を掲げる新民主党は8議席減の13議席に留まり、かつて自由党と並ぶ二大政党だった進歩保守党も8議席減の12議席と、厳しい結果に直面しました。

このように、2000年のカナダ総選挙はクレティエン首相がその権力を確立し、自由党が穏やかな一強体制を築いたことが際立った選挙と言えます。選挙制度としては完全小選挙区制が採用され、候補者数は1,808名と多くの政治参加を促進しました。選挙後の情勢は、カナダの政治に大きな影響を及ぼすこととなりました。

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