2001年のラジオ (日本)

2001年の日本のラジオシーンは、幾つかの特筆すべき変化や出来事によって彩られた一年でした。長年親しまれてきた番組が歴史に幕を下ろす一方で、放送局の組織体制にも大きな動きが見られました。

この年、特に注目を集めた番組関連の出来事としては、TBSラジオで1978年4月から23年間にわたり放送されてきた政府広報番組『クローズアップにっぽん』が3月に終了したことが挙げられます。この番組は長きにわたり様々な情報を伝えてきましたが、パーソナリティを務めていた芳村真理氏が1月に個人的な事情から降板しており、その後の番組終了となりました。また、長寿番組として知られるTBSラジオの『大沢悠里のゆうゆうワイド』が8月20日に放送4000回を達成するなど、既存番組の節目も話題となりました。

業界全体の動きとしては、東京放送（TBS）が10月1日をもって、そのラジオ部門を「株式会社ティ・ビー・エス・ラジオ&コミュニケーションズ」（現在のTBSラジオ）として分社・独立させたことが挙げられます。これにより、TBS本体からラジオ放送の免許と「JOKR」のコールサインが新会社に引き継がれ、放送局の経営体制が刷新されました。これは、メディアを取り巻く環境の変化に対応するための重要な一歩となりました。

また、ラジオ業界の枠を超えた大きな話題として、ニッポン放送がプロ野球球団である横浜ベイスターズの筆頭株主となる動きがありました。11月15日にはプロ野球実行委員会でこれが承認されましたが、同じフジサンケイグループに属するフジテレビがヤクルトスワローズの株式を所有していることが野球協約に抵触する可能性が指摘され、わずか2週間後の11月29日には白紙撤回される事態となりました。この問題は、最終的に2002年1月にTBSがベイスターズの筆頭株主となる形で決着しています。

新規の動きとしては、岐阜県で4月1日に岐阜エフエム放送（現在の株式会社エフエム岐阜）が開局し、新たな放送局が誕生しました。また、既存の放送局では商号変更も行われ、7月にはエフエム埼玉が「エフエムナックファイブ」に、10月1日には前述の通り東京放送が分社化に伴う変更を行っています。

番組編成においても、この年は多くの新番組が始まり、また一方で終了した番組も少なくありませんでした。例を挙げると、NHKラジオ第2放送で『NHKカルチャーアワー』が、NHK-FMで『ミッドナイト・ポップライブラリー』が4月にスタートしました。民放各局でも様々なジャンルの新番組が放送開始され、STVラジオの『松山千春 季節の旅人』やTBSラジオの『ストリーム』、文化放送の『嵐・相葉雅紀のレコメン!アラシリミックス』、ニッポン放送の『石橋貴明のレディオイシバシーノ（仮）』、ラジオ関西の『野川さくらのマシュマロ♪たいむ』など、現在まで続く人気番組や新たな試みが見られました。終了番組としては、NHK-FMの長寿番組『クロスオーバーイレブン』や『恋する音楽小説』が3月に終了したことも、多くのリスナーにとって印象的な出来事でした。

さらに、民間放送教育協会（民教協）が8月4日に初のラジオ特別番組として『応援します、子育てしんけん勝負!』をRKB毎日放送を主体に複数の局が共同制作して放送するなど、新しい企画も実施されました。

2001年は、長年にわたる番組の歴史に区切りがつけられ、放送局の経営形態にも変化が生じるなど、日本のラジオ界にとって一つの転換点ともいえる年であったと言えるでしょう。

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