2002年沖縄県知事選挙

2002年沖縄県知事選挙

2002年の沖縄県知事選挙は、沖縄県の首長である知事の任期満了に伴い、同年11月17日に投票が行われた選挙です。この選挙では、沖縄県の政策を今後4年間担う知事が選ばれました。また、知事選挙と同日には、沖縄県議会国頭郡区の補欠選挙も実施されました。

選挙の構図と主な候補者

この選挙は、現職の稲嶺惠一氏を筆頭に、元沖縄県副知事の吉元政矩氏、そして日本共産党が推薦する新垣繁信氏の3氏が中心となり、事実上の三つ巴の戦いとなりました。特筆すべきは、この選挙で日本共産党が独自候補を擁立したことです。これにより、1968年の琉球政府主席公選以来、長年続いてきた「革新共闘」と呼ばれる革新勢力間の候補者一本化の枠組みが崩壊しました。

主要な争点

選挙戦で最も大きな争点となったのは、在日米軍普天間飛行場（宜野湾市）の移設問題でした。日米両政府が進める名護市辺野古への代替施設建設の是非や、その条件などが問われました。加えて、当時の沖縄県が抱えていた高い失業率の問題に対する経済振興策も、有権者の関心を集める重要な論点となりました。

普天間基地移設を巡る候補者の主張

普天間基地の移設問題に関して、主要3候補はそれぞれ異なる立場を表明しました。

稲嶺惠一氏（現職）：名護市辺野古への代替施設建設を容認する立場から、建設される施設の米軍使用期間を15年に限定するという「使用期限15年」論を主張しました。
吉元政矩氏（元副知事）：普天間基地の機能を沖縄県外へ移転させるべきだとし、具体的には山口県の米軍岩国飛行場への移設案を提示しました。
新垣繁信氏（共産党推薦）：普天間基地の即時無条件返還を強く訴えました。

選挙日程と有権者数

選挙の日程は以下の通りでした。

告示日：2002年10月31日
* 投票日：2002年11月17日

投票日当日の有権者数は合計987,030名でした。内訳は男性が480,798名、女性が506,232名でした。この選挙には、主要3候補を含め、最終的に4名が立候補しました。

選挙結果と投票率

2002年11月17日の投開票の結果、現職の稲嶺惠一氏が大差で当選し、2期目の再選を果たしました。対立候補であった吉元氏と新垣氏は、稲嶺氏の得票に大きく差をつけられる形となりました。

この選挙の投票率は57.22%でした。これは、沖縄県知事選挙としては過去最低の投票率となりました。投票者数は564,751名で、男女別の投票率は男性が55.59%（投票者数267,292名）、女性が58.76%（投票者数297,459名）でした。

勝敗の要因分析

稲嶺氏が勝利した要因としては、現職としての高い知名度と、これまでの実績に基づく強みが挙げられます。さらに、自由民主党と公明党という与党からの盤石な選挙協力体制を得られたことが大きく、選挙戦を終始優位に進めることができました。これにより、特定の地域や層だけでなく、県全域で幅広い支持層を獲得することに成功しました。

一方、敗れた吉元氏と新垣氏については、選挙戦への出馬表明が比較的遅かったこと（9月）が準備不足につながった可能性があります。加えて、候補者を選定する段階で革新勢力が候補者を一本化できず、分裂したまま選挙戦に臨んだことが、支持層を分散させ、結果的に大差での敗北を招いた主な要因と考えられています。この革新勢力の分裂は、長年の「革新共闘」の終焉を示す出来事として、その後の沖縄県の政治情勢にも影響を与えることになります。

出典

本記事は、主に第9回沖縄県知事選挙の投開票結果に関する公開情報に基づいています。

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