2003 FNS歌謡祭

2003年12月3日、フジテレビ系列にて放送された『2003 FNS歌謡祭』は、番組の歴史において重要な転換点となる32回目の放送でした。従来の木曜日夜からの放送枠を水曜日に変更しただけでなく、放送時間も3時間から4時間へと拡大、4時間を超える放送となりました。さらに、2日前から開始された地上デジタル放送での放送に合わせ、番組はHDTVカメラによるハイビジョン制作を採用。フジテレビ、東海テレビ、関西テレビの地上波デジタル放送では、デジタルハイビジョン放送を実現しました。地上アナログ放送と会場内のモニターは、サイドカット放送となりました。

この年のFNS歌謡祭は、数々の記憶に残る出来事がありました。まず、番組初出演を果たしたのは人気アイドルグループNEWSです。デビュー曲「NEWSニッポン」を披露し、番組を華やかに彩りました。また、I WiSHもこの番組がテレビ初出演となり、大きな注目を集めました。

さらに、フジテレビのバラエティ番組『水10! ワンナイR&R』から誕生した音楽ユニット・くずが、昨年に引き続き2回目の出演を果たしました。彼らの個性的なパフォーマンスは、多くの視聴者を魅了しました。

そして、番組の最後を飾ったのは、2年ぶりの出演となったSMAPでした。この年、ダブルミリオンを達成し、オリコン年間シングルチャート1位に輝いた「世界に一つだけの花」を披露。SMAPにとって初のFNS歌謡祭大トリという栄誉に輝きました。

ジャニーズ事務所からは、SMAP、TOKIO、KinKi Kids、V6、嵐、NEWSと、人気グループが総出演。特にNEWSの初出演は、新たな時代の幕開けを感じさせる出来事となりました。

司会は楠田枝里子と、当時フジテレビアナウンサーだった川端健嗣が務めました。音楽は武部聡志音楽団が担当し、豪華な演奏でアーティストたちの歌声をさらに魅力的に引き立てました。

番組全体の制作スタッフも、多くのベテランと若手スタッフによって構成され、技術面でも革新的な試みが数多く盛り込まれていました。ハイビジョン制作による高画質映像、洗練されたセットデザイン、そしてスムーズな番組進行は、視聴者に最高のエンターテイメントを提供するために、多くのスタッフの努力によって実現されました。

この『2003 FNS歌謡祭』は、単なる音楽番組にとどまらず、放送技術の進化、番組フォーマットの刷新、そして新たなスターの誕生など、様々な意味で日本の音楽シーンに大きな影響を与えた番組と言えるでしょう。番組公式サイトにも当時の様子が記録されており、この番組を彩った数々のパフォーマンスを振り返ることができます。

番組の成功には、数多くのスタッフの尽力があったことは言うまでもありません。港浩一を筆頭とした制作チーム、玉井貴代志、小滝明日香、山内浩嗣による構成、石鍋伸一朗と井上幸夫による美術プロデュースなど、多くの専門家がそれぞれの役割を担い、番組を支えました。 さらに、番組を彩る美術デザイン、大道具、電飾、特殊装置、視覚効果、生け花装飾、メイク、楽器、マルチ、TD／SW、カメラ、音声、映像、照明、PA、カムリモート、クレーンなど、様々な部門のスタッフが連携し、素晴らしい番組を作り上げました。

また、番組制作には多くの協力会社も関与しており、その連携プレーが番組クオリティの高さに繋がっています。グランドプリンスホテル新高輪や沖縄テレビ、沖縄観光コンベンションビューロー、ハーフトーンミュージックなどの協力により、多様なロケーションでの撮影や、音楽演出の充実が実現しました。テレビ東京やスポニチクリエイツからの映像協力も、番組をより豊かに彩りました。 番組の運営にはコントロールと4-Legsが、技術協力には八峯テレビ、共同テレビジョン、FLT、共立、タムコが携わっています。

I WiSH、Mr.Children、夏川りみの中継映像には、それぞれ専用のSWとディレクターが配置され、高品質な中継を実現しました。フジテレビV7スタジオでの収録にも、経験豊富なスタッフが配置されています。

番組プロデューサーはきくち伸、清水宏泰、佐々木将の3名、演出は板谷栄司が担当し、フジテレビバラエティ制作センターが制作、フジテレビが制作著作を務めました。数多くのスタッフの協働と創意工夫によって、『2003 FNS歌謡祭』は記憶に残る素晴らしい番組として完成しました。

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