2004年の広島東洋カープ

2004年の広島東洋カープ

2004年シーズンの広島東洋カープは、山本浩二監督が指揮を執る体制となって4年目のシーズンでした。前年までAクラスに迫りながらも、夏場に失速して涙をのむ展開が続いていたチームは、この年こそ上位進出を果たすべく新たなシーズンに臨みました。

シーズン開幕前、山本監督は長年のBクラスからの脱却、そしてAクラス入りを強く宣言し、ファンも期待を寄せました。開幕後、先発ローテーションは期待の新星である河内貴哉に加え、エースの黒田博樹、外国人投手のジョン・ベイルらが安定した投球を見せ、一時は戦える体制かと思われました。

しかし、チームは思うような成績を残せませんでした。特に救援陣は打ち込まれる場面が目立ち、リードを守りきれない試合が続出します。投手陣全体の不安定さが響き、チームは6月以降、横浜ベイスターズとの間で熾烈な最下位争いを展開することになります。その後も浮上のきっかけを掴めず、結局シーズン終盤まで下位に低迷。最終的には、辛うじて最下位を免れるのが精一杯であり、山本監督就任以来4年連続、球団としては1998年から数えて7年連続となるBクラスに沈みました。

この年の投手陣を詳細に見ると、先発ではベイル、黒田、河内らが奮闘しましたが、高橋建が2桁敗戦を喫し防御率も5点台に終わるなど不振。期待されたトム・デイビーも防御率6点台と結果を残せませんでした。リリーフ陣も、広池浩司や大竹寛、小山田保裕、佐々岡真司らが比較的安定した成績を残したものの、それ以外の投手は軒並み防御率4点台から7点台と崩壊状態にあり、投手陣全体としてチームを支えることができませんでした。

一方で打撃陣は、グレッグ・ラロッカ、アンディ・シーツ、そして前田智徳といった中心選手が年間を通して高い打撃成績を残し、チームを牽引しました。特に外野手の嶋重宣は飛躍的な活躍を見せ、打率.337で自身初の首位打者を獲得。同時に最多安打のタイトルも手にしました。グレッグ・ラロッカも最高出塁率のタイトルに加え、二塁手としてベストナインに選出されるなど、個人レベルでは輝きを放つ選手が複数現れました。

プロ野球再編問題に揺れたこの年は、選手会のストライキにより公式戦が本来予定されていた数より2試合少ない138試合で行われました。また、シーズン中盤のオールスターゲームには、広島から監督推薦によってのみ選手が選ばれるにとどまり、チーム状況を反映する形となりました。

最終的に、2004年の広島カープは、強力な打撃陣と不安定な投手陣という歪なチームバランスの中で戦いを強いられ、目標としていたAクラス入りどころか、下位に低迷する厳しいシーズンとなりました。個人成績でタイトルを獲得する選手が出たことは光明でしたが、チームとしての低迷を覆すには至りませんでした。

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