2004年の相撲

2004年の大相撲

2004年における大相撲の動向は、日本国内外で多くの出来事に彩られました。その年の1月、両国国技館で行われた初場所では、青森県板柳町から取り寄せたりんごとポストカードが来場者に配られるサプライズがありました。また、この場所では元小結の小城錦が引退し、年寄名跡の中立を襲名したことも記憶に残ります。役員選挙も行われ、監事の選挙が実施されるなど、運営面でも変化が見られました。

2月には、韓国のソウルとプサンで特別場所が開催され、その後日本に帰国した力士たち。2月29日には、元横綱の鏡里が亡くなる悲しいニュースもありました。彼は80歳で、その功績は今もファンに感謝されています。

3月の春場所では、大相撲観戦者の意識を把握するためのアンケートが実施され、観戦文化の向上を目指す努力がうかがえました。4月には、新たな法人向けの会員組織『大相撲応援倶楽部』が立ち上がり、注目を集めました。この横綱会には、多くの力士が参加し、元横綱の佐田の山が藍綬褒章を受章する栄を掴みました。

5月には、相撲界の歴史ある力士たちが次々と引退し、準年寄として新たな道を歩む姿が見られました。また、元大関の貴ノ浪も引退し、年寄名跡の音羽山を襲名するといった象徴的な出来事が続きました。このように、力士たちの世代交代が進む中、6月3日には中国に特別公演に出発し、北京と上海で開催された場所が大きな話題を呼びました。

7月には、関脇に陥落した栃東が10勝を挙げ、大関復帰を果たします。さらに、年寄名跡に関する民事訴訟では、7代立浪が逆転勝訴を確定させ、力士たちの名跡はますます注目される存在になりました。

11月には、新潟県中越地震の被災者への義援金贈呈が力士会で決議され、社会貢献の姿勢が顕著になりました。また、大関の武双山も引退し、年寄名跡を藤島に継承しました。

特に印象深いのは、各場所での力士たちの活躍と、それに伴う襲名や引退の儀式です。例えば、絡み合う個々の人生を映し出すように、元前頭の大碇や元小結の濱ノ嶋も次々と引退を発表しました。

その年の年間最優秀力士賞と年間最多勝は朝青龍明徳が受賞し、78勝12敗という素晴らしい成績を残しました。新弟子検査でも、多くの新たな力士たちが誕生し、未来への希望を感じさせました。

引退相撲興行も多く行われ、安芸乃島、 大善、 小城錦などがその舞台に立ち、両国国技館では華やかな襲名披露が行われるなど、その盛況ぶりが印象的でした。更に、元横綱の鏡里や元立行司の式守伊之助がこの年に亡くなるなど、伝説的な存在が去ったことも忘れてはなりません。特に10月14日、 PRIDE 武士道での戦闘竜の言葉『相撲は強いんだよ！』は、多くの相撲ファンに強いメッセージを届けました。

このように、2004年の大相撲は、数多くの出来事が生まれた年であり、力士たちの人生の節目を共に祝う一年でした。

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