2006年ハンガリーグランプリ

2006年ハンガリーグランプリ

2006年のF1世界選手権第13戦、ハンガリーグランプリは、8月6日にハンガロリンクで開催されました。このレースは、特にウェットコンディションで行われた初めてのレースとして注目を集めました。大会は、正式には「2006 Formula 1 Shell Magyar Nagydíj」と呼ばれています。

レース前の混乱

レース前には、前回のドイツGPで発覚したマスダンパーの使用に関する規定違反の問題が影を落としました。FIAのスチュワードがこれを認可したものの、FIAが異議を申し立てるという異例の事態が発生しました。このため、各チームはハンガリーGPにマスダンパーを持ち込む準備をしていましたが、最終的にはレースディレクターのチャーリー・ホワイティングから処罰の可能性が示唆され、搭載を見送ることとなりました。

また、BMWザウバーのドライバー、ジャック・ヴィルヌーヴがドイツGPでのクラッシュの影響で欠場し、代わりにポーランド出身のロバート・クビサが出場することになりました。クビサはポーランド人として初めてのF1ドライバーとなり、注目されました。

予選の結果

予選では、タイトル争いを繰り広げるフェルナンド・アロンソとミハエル・シューマッハがペナルティを受けました。アロンソはフリー走行中に他のドライバーを妨害し、予選タイムに2秒加算されて15位に、シューマッハも同様の理由で11位からスタートすることとなりました。

予選では、フェリペ・マッサがQ1、Q2で最速タイムを記録し、Q3でもトップに立ちましたが、終了間際にキミ・ライコネンがそのタイムを上回り、ポールポジションを獲得しました。ホンダ勢のルーベンス・バリチェロとジェンソン・バトンも好成績を収めましたが、バトンはエンジン交換のペナルティを受けて順位が下がり、14位からのスタートとなりました。

決勝レース

決勝は、ハンガリーGPの歴史の中で初めてウェットコンディションで行われました。すべての車両がスタンダードレインタイヤを装着し、ライコネンが先頭をキープ。一方で、バリチェロはヘビーレインタイヤを選択しましたが、早々にピットインしてタイヤ交換を余儀なくされる結果となりました。

レースが進むにつれてライコネンとデ・ラ・ロサがリードし、アロンソとバトンが続きます。しかし、25周目にライコネンが周回遅れ車に追突しリタイア。その後、アロンソとデ・ラ・ロサがピットインし、バトンが2位に浮上します。レースは進むにつれて天候も回復し、路面が乾き始めました。

51周目、アロンソはピットインしドライタイヤに交換しましたが、装着不良のためにスピンしてリタイア。その後、バトンは独走状態に入り、見事なドライブを見せて初優勝を達成しました。これにより、ホンダにとっては39年ぶりの勝利となり、チーム初の表彰台となるドライバーが次々と生まれました。レース後、デビュー戦のクビサは規定重量を下回って失格となりましたが、シューマッハはポイントを獲得しました。

結果

最終的な結果は、バトンが優勝し、デ・ラ・ロサが2位、ハイドフェルドが3位でした。バトンの勝利は、F1参戦115戦目での初優勝であり、レースの多くのドラマを楽しむことができた瞬間と云えます。

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