2007年のフランスグランプリ (ロードレース)

2007年フランスグランプリ：ル・マンの激戦とドラマ

2007年のロードレース世界選手権第5戦、フランスグランプリは、5月18日から20日にかけて、フランス西部ル・マンのブガッティ・サーキットで開催されました。このレースは、各クラスで予想外の展開とドラマが繰り広げられた、記憶に残る一戦となりました。

125ccクラス：ガデアの初優勝とパシーニの苦杯

125ccクラス決勝は、激しいトップ争いが展開されました。セルヒオ・ガデア（チーム・アスパー）は、ルーカス・ペセック、ブラッドリー・スミスとの息詰まるバトルを制し、シーズン初優勝の栄冠を手にしました。スミスは自身初となる3位表彰台を獲得、大きな自信を掴む結果となりました。一方、4戦連続ポールポジションを獲得していたマティア・パシーニは、レース終盤まで優勝争いに絡んでいましたが、マシントラブルによりリタイヤ。惜しくも表彰台を逃しました。

250ccクラス：ロレンソの僅差勝利

250ccクラス決勝では、ホルヘ・ロレンソがアンドレア・ドヴィツィオーゾ、アレックス・デ・アンジェリスとの壮絶な優勝争いを繰り広げました。ロレンソは、ドヴィツィオーゾに僅か0.156秒差という接戦を制し、シーズン4勝目を挙げました。その僅差は、手に汗握るレース展開だったことを物語っています。

MotoGPクラス：ウェットコンディションがもたらした波乱

MotoGPクラス予選では、コーリン・エドワーズ（フィアット・ヤマハ）が自身初となるポールポジションを獲得しました。しかし、決勝レースは、スタート前に降り始めた小雨により、シーズン初のウェットレースとなりました。レース中、マシンの変更が認められたため、状況判断と戦略が重要な要素となりました。

スタート時は、ケニー・ロバーツJr.を除く全ライダーがドライタイヤを選択しました。レース序盤は、ダンロップタイヤを履いた地元フランスのシルバン・ギュントーリ（テック3・ヤマハ）とランディ・ド・プニエ（カワサキ）が圧倒的な速さを見せつけ、6周目にはフランス人ライダーが1-2位を独占。地元フランスの観客を大いに沸かせました。しかし、雨が強まり路面状況が悪化すると、ギュントーリは8周目、ド・プニエは9周目に転倒。順位を大きく落としました。

雨が降り続く中、各ライダーがウェットタイヤへのマシン変更を完了すると、順位が安定し始めました。クリス・バーミューレン（リズラ・スズキ）がトップに立つと、その後は安定した走りで独走状態を維持。見事、グランプリ初優勝を飾りました。2位にはマルコ・メランドリ（ホンダ・グレシーニ）、3位にはケーシー・ストーナー（ドゥカティ・マルボロ）と、ブリヂストンタイヤ勢が表彰台を独占する結果となりました。

2007年フランスグランプリは、天候の影響を大きく受けたレースとなりました。各クラスで予想外の展開となり、優勝争いは最後まで目が離せない接戦が繰り広げられました。地元フランス勢の活躍、そしてウェットコンディションでの戦略が勝利を分けた、記憶に残るレースとなりました。

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