2007年の台風

2007年の台風の概要

2007年に発生した台風は、例年よりも北寄りの海域で発生し、寿命の短いものが多く見られました。しかし、台風の発生数、日本への接近数、上陸数については平年並みでした。この年の台風2号からは、より詳細な台風情報が提供されるようになり、台風に関する情報提供の体制が拡充されました。

月別の台風発生数

2007年の各月の台風発生数は、以下の通りです。

1月: 1個
4月: 0個
5月: 1個
6月: 0個
7月: 3個
8月: 5個
9月: 4個
10月: 5個
11月: 4個

各熱帯低気圧の活動時期

各熱帯低気圧の活動時期については、以下に各台風の詳細な情報と合わせて記載します。

「台風」に分類された熱帯低気圧

以下に2007年に発生した台風の詳細をまとめます。

台風1号（コンレイ）
発生日時: 4月1日
発生場所: トラック諸島近海
アジア名: コンレイ（Kong-rey）

トラック諸島近海で発生し、サイパン島を強風域に巻き込みながら北上しました。その後、北マリアナ諸島北部を通過し、南鳥島に接近しましたが、大きな被害は報告されていません。

台風2号（イートゥー）
発生日時: 5月17日
発生場所: カロリン諸島近海
アジア名: イートゥー（Yutu）

カロリン諸島近海で発生し、小笠原諸島に接近しました。硫黄島などを暴風域に巻き込み、小笠原諸島には前年の台風14号以来の強い台風となりました。

台風3号（トラジー）
発生日時: 7月5日
発生場所: トンキン湾
アジア名: トラジー（Toraji）

トンキン湾で発生しましたが、非常に狭い海域で発生したため、発達せずにすぐに消滅し、短命な台風となりました。

台風4号（マンニィ）
発生日時: 7月9日
発生場所: カロリン諸島付近
アジア名: マンニィ（Man-yi）

カロリン諸島付近で発生し、太平洋高気圧の縁に沿って北西に進みました。沖縄付近の海上に達した後、東シナ海を北上し、大隅半島に上陸しました。大隅半島上陸時の中心気圧は945hPaで、7月上陸の台風としては最強の勢力でした。この台風により、死者3名、行方不明者2名が発生しました。

台風5号（ウサギ）
発生日時: 7月29日
発生場所: マリアナ諸島付近
アジア名: ウサギ（Usagi）

マリアナ諸島付近で発生し、日本の南海上を北西に進みました。宮崎県日向市付近に上陸し、宮崎県・大分県を縦断後、山口県宇部市付近に再上陸しました。高潮による被害も発生し、死者7名、行方不明者2名が出ました。

台風6号（パブーク）
発生日時: 8月5日
発生場所: フィリピンの東
アジア名: パブーク（Pabuk）

フィリピンの東で発生し、先島諸島の南方を西進した後、台湾南端に上陸しました。その後南シナ海を横断し、中国本土に接近しました。この台風により、広東省から山東省にかけて大雨となり、140万人が被災しました。雷州半島では、200年に1度の大雨が降りました。

台風7号（ウーティップ）
発生日時: 8月7日
発生場所: 沖縄の南
アジア名: ウーティップ（Wutip）

沖縄の南で発生し、与那国島に接近しました。勢力はほとんど強まらず、最盛期の中心気圧は990 hPaでした。

台風8号（セーパット）
発生日時: 8月12日
発生場所: フィリピンの東方海上
アジア名: セーパット（Sepat）

フィリピンの東方海上で発生し、次第に勢力を強めながら西寄りに進んだ後、北西に進みました。16日には「猛烈な」強さとなり、台湾に上陸しました。この台風は、2007年に発生した台風の中で最も勢力が強く、最盛期の中心気圧は910hPaでした。この台風の影響で、フィリピンや台湾、華南などで多数の死者が出ました。

台風9号（フィートウ）
発生日時: 8月29日
発生場所: 南鳥島の南東海
アジア名: フィートウ（Fitow）

南鳥島の南東海上で発生し、小笠原諸島の北海上を西進した後、伊豆諸島の西海上を北上しました。強い勢力を保ったまま伊豆半島南部に上陸し、関東地方から東北地方を縦断、北海道にも再上陸しました。

台風10号（ダナス）
発生日時: 不明
発生場所: 南鳥島の北東
アジア名: ダナス（Danas）

南鳥島の北東で発生し、かなり高緯度で発生した台風です。北緯36度から37度に達しても勢力が強まりました。

台風11号（ナーリー）
発生日時: 9月13日
発生場所: 南大東島の南東海
アジア名: ナーリー（Nari）

南大東島の南東海上で発生し、非常に強い台風となって沖縄本島地方の近海を通過しました。久米島では、観測史上最も強い最大瞬間風速62.8m/sを記録しました。その後、朝鮮半島南端に達し、日本海で温帯低気圧に変わりましたが、その後も東北地方に大雨をもたらしました。

台風12号（ウィパー）
発生日時: 9月16日
発生場所: フィリピンの東
アジア名: ウィパー（Wipha）

フィリピンの東で発生し、先島諸島を暴風域に巻き込みながら進みました。西表島では歴代2位となる最大瞬間風速65.9m/sを記録しました。中国の浙江省に上陸後、熱帯低気圧になりましたが、その後、北朝鮮で大雨による被害を出しました。

台風13号（フランシスコ）
発生日時: 9月23日
発生場所: 南シナ海北部
アジア名: フランシスコ（Francisco）

南シナ海北部で発生し、海南島を通過後、ベトナム北部へ向かいました。勢力はそれほど強くありませんでした。

台風14号（レキマー）
発生日時: 9月30日
発生場所: 南シナ海中部
アジア名: レキマー（Lekima）

南シナ海中部で発生し、発生当初から超大型の台風でした。ベトナム北部に上陸し、数十万人が避難しました。

台風15号（クローサ）
発生日時: 10月2日
発生場所: フィリピンの東海
アジア名: クローサ（Krosa）

フィリピンの東海上で発生し、先島諸島に接近しました。石垣島で最大瞬間風速59.6m/sを観測しました。台湾北部、中国南部に再上陸しました。この台風は、複雑な進路を辿り、予報が難しい台風でした。

台風16号（ハイエン）
発生日時: 10月6日
発生場所: ミッドウェー諸島の近海
アジア名: ハイエン（Haiyan）

ミッドウェー諸島の近海で発生しましたが、高緯度で発生したため、ほとんど発達せずに短命で終わりました。

台風17号（ポードル）
発生日時: 10月6日
発生場所: 日本のはるか東
アジア名: ポードル（Podol）

日本のはるか東で発生し、台風になる前から渦を巻いていた低気圧が、突然台風に昇格しました。

台風18号（レンレン）
発生日時: 10月12日
発生場所: ウェーク島の近海
アジア名: レンレン（Lingling）

ウェーク島の近海で発生しましたが、ほとんど発達することなく消滅しました。

台風19号（カジキ）
発生日時: 10月19日
発生場所: マリアナ諸島付近
アジア名: カジキ（Kajiki）

マリアナ諸島付近で発生し、小笠原の父島に接近しました。その後日本のはるか東で温帯低気圧に変わりました。

台風20号（ファクサイ）
発生日時: 10月26日
発生場所: 沖縄県南大東島の南
アジア名: ファクサイ（Faxai）

沖縄県南大東島の南で発生し、「韋駄天台風」となって、時速95kmという高速で北東に進みました。伊豆諸島を通過し、千葉県房総半島に接近しました。

台風21号（ペイパー）
発生日時: 11月3日
発生場所: フィリピンの東
アジア名: ペイパー（Peipah）

フィリピンの東で発生し、ルソン島に上陸後、南シナ海へと抜けました。

台風22号（ターファー）
発生日時: 11月12日
発生場所: 硫黄島の南
アジア名: ターファー（Tapah）

硫黄島の南で発生しましたが、ほとんど勢力を強めることなく短命に終わりました。

台風23号（ミートク）
発生日時: 11月20日
発生場所: フィリピンの東
アジア名: ミートク（Mitag）

フィリピンの東で発生し、ルソン島北部に上陸後、沖縄の南海上で複雑な動きをしました。

台風24号（ハギビス）
発生日時: 11月20日
発生場所: 南シナ海
アジア名: ハギビス（Hagibis）

南シナ海で発生し、当初は西進していましたが、突然東に折り返し、フィリピン方面へ向かいました。

気象庁が「台風」に分類しなかった熱帯低気圧

この年には、気象庁が台風として分類しなかった熱帯低気圧も存在しました。

外部リンク

Typhoon2000 Philippine typhoon website
Joint Typhoon Warning Center
台風の番号とアジア名の付け方
Japan Meteorological Agency - Tropical Cyclone Information (日本語)
Digital Typhoon - Typhoon Images and Information
PAGASA - Tropical Cyclone Information for the Phillipines
Tropical Cyclone Information issued by Hong Kong
Tropical Cyclone Information issued by Taiwan

脚注

ウィキメディア・コモンズには、2007年の台風に関するカテゴリがあります。

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