2008年の台風

2008年の台風について

2008年には、太平洋北西部で22個の熱帯低気圧が発生し、それらが台風へと発達しました。しかし、日本への上陸はゼロという珍しい年でした。1951年の統計開始以来、4度目の記録となります（過去には1984年、1986年、2000年にも同様の記録がありました）。ただし、日本に接近した台風は9個あり、各地に様々な影響を及ぼしました。

2008年の台風の特徴

台風の発生数: 22個
日本への上陸数: 0個
日本への接近数: 9個
特筆すべき台風: 台風6号（フンシェン）と台風15号（チャンミー）

月別の台風発生数

1月: 1個
5月: 4個
6月: 1個
7月: 2個
8月: 4個
9月: 5個
10月: 1個
11月: 3個
12月: 1個

各台風の詳細

台風1号（ノグリー）

発生: 4月15日、南シナ海
アジア名: ノグリー（Neoguri）
影響: 中国の広東省に上陸。南シナ海で漁師が行方不明、中国で死者。

台風2号（ラマスーン）

発生: 5月8日、フィリピン東海上
アジア名: ラマスーン（Rammasun）
特徴: 「猛烈な」勢力まで発達。八丈島に接近し、暴風や農作物被害をもたらした。温帯低気圧に変化。

台風3号（マットゥモ）

発生: 5月15日、沖縄の南
アジア名: マットゥモ（Matmo）
特徴: あまり発達せず、硫黄島付近で消滅。

台風4号（ハーロン）

発生: 5月16日、南シナ海
アジア名: ハーロン（Halong）
特徴: ルソン島に上陸後、再発達。八丈島付近で温帯低気圧に変化。

台風5号（ナクリー）

発生: 5月27日、フィリピン東
アジア名: ナクリー（Nakri）
特徴: 5月に発生した4個目の台風で、1971年、1980年と並び最多タイ。

台風6号（フンシェン）

発生: 6月19日、ミンダナオ島東
アジア名: フンシェン（Fengshen）
影響: フィリピンを縦断し、土砂災害やフェリー沈没など甚大な被害をもたらした。

台風7号（カルマエギ）

発生: 7月15日、フィリピン東
アジア名: カルマエギ（Kalmaegi）
影響: 台湾に上陸。沖縄県八重山地方で大しけ、交通障害や農業被害、停電。

台風8号（フォンウォン）

発生: 7月25日、南大東島南方
アジア名: フォンウォン（Fong-wong）
影響: 沖縄県八重山地方で暴風、大雨。与那国島で最大瞬間風速37.0m/sを観測。

台風9号（カンムリ）

発生: 8月5日、南シナ海北部
アジア名: カンムリ（Kammuri）
影響: 中国、ベトナムで大雨による被害。

台風10号（ファンフォン）

発生: 8月10日、日本のはるか東
アジア名: ファンフォン（Phanfone）
特徴: 発生場所が北緯30度を超えていたため、ほとんど発達せず。

台風11号（ヴォンフォン）

発生: 8月15日、日本の南海上
アジア名: ヴォンフォン（Vongfong）
影響: 日本各地で大雨、土砂災害、浸水被害、落雷停電。栃木県で冠水による死亡事故。

台風12号（ヌーリ）

発生: 8月18日、フィリピン東
アジア名: ヌーリ（Nuri）
影響: フィリピン、香港、華南の一部に被害。

台風13号（シンラコウ）

発生: 9月9日、フィリピン東
アジア名: シンラコウ（Sinlaku）
特徴: 台湾に上陸後、東シナ海で再発達。日本には上陸せず。

台風14号（ハグピート）

発生: 9月19日、フィリピン東
アジア名: ハグピート（Hagupit）
影響: フィリピン、中国、ベトナムで大きな被害。

台風15号（チャンミー）

発生: 9月24日、フィリピン東
アジア名: チャンミー（Jangmi）
特徴: 猛烈な勢力に発達。1995年以来の記録となる最大風速を観測。台湾に上陸。死者・行方不明者。

台風16号（メーカラー）

発生: 9月29日、南シナ海
アジア名: メーカラー（Mekkhara）
影響: ベトナムに上陸。勢力はあまり強くなかった。

台風17号（ヒーゴス）

発生: 9月29日、フィリピン東
アジア名: ヒーゴス（Higos）
特徴: あまり発達せず、フィリピン中部を通過。

台風18号（バービー）

発生: 10月19日、小笠原諸島近海
アジア名: バービー（Bavi）
特徴: ほとんど発達せず温帯低気圧に。

台風19号（メイサーク）

発生: 11月7日、南シナ海
アジア名: メイサーク（Maysak）
特徴: あまり発達せず、南シナ海で複雑な動き。

台風20号（ハイシェン）

発生: 11月16日、南鳥島西
アジア名: ハイシェン（Haishen）
特徴: ほとんど発達せずに温帯低気圧に。

台風21号（ノウル）

発生: 11月16日、南シナ海
アジア名: ノウル（Noul）
影響: ベトナムなどで被害。

台風22号（ドルフィン）

発生: 12月13日、マリアナ諸島西
アジア名: ドルフィン（Dolphin）
特徴: 進路を北に変え、フィリピンの東海上で最盛期。小笠原諸島付近で温帯低気圧に。

その他

気象庁が「台風」に分類しなかった熱帯低気圧も存在しました。
フィリピン名は、PAGASAの管轄エリアに入った際に命名されます。
各台風名には、アジア名と国際的な番号が付与されています。


参考資料:
Joint Typhoon Warning Center
Japan Meteorological Agency - Tropical Cyclone Information
Digital Typhoon - Typhoon Images and Information
PAGASA - Tropical Cyclone Information for the Phillipines
Tropical Cyclone Information issued by Hong Kong
Tropical Cyclone Information issued by Taiwan

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