2009年の世界ツーリングカー選手権

2009年の世界ツーリングカー選手権は、3月8日のブラジル・クリチバを皮切りに、11月22日マカオ市街地コースでの最終戦まで、世界各地を舞台に全12ラウンド、全24レースという過酷なスケジュールで争われました。

このシーズンは、スーパー2000およびディーゼル2000車両による激しい戦いが繰り広げられました。そして、最終的にドライバーズチャンピオンの栄冠を手にしたのは、セアトから参戦したガブリエル・タルキーニでした。彼はチームメイトであるイヴァン・ミュラーを僅か4ポイント差で抑え、見事な逆転優勝を飾りました。3位にはBMWチーム・ジャーマニーのアウグスト・ファルフスが入りました。

さらにセアトは、マニファクチャラーズタイトルも獲得し、その年の最強チームとして君臨しました。一方、インディペンデント選手権では、サンレッド・エンジニアリングのトム・コロネルがチャンピオンに輝きました。

2009年シーズンはドライバーやチームの変動も大きな特徴でした。いくつかのチームではドライバーの入れ替えが行われ、新たな才能が世界選手権の舞台に躍り出ました。例えば、ステファノ・ディアステはスクーデリア・プロチーム・モータースポーツからヴィヒャーズ＝スポーツへ、セルジオ・ヘルナンデスはスクーデリア・プロチーム・モータースポーツからBMWチーム・イタリア/スペインへと移籍しました。また、フェリックス・ポルテイロは逆の移籍で、BMWチーム・イタリア/スペインからスクーデリア・プロチーム・モータースポーツへと所属チームを変えています。

この他、クリスチャン・ポールゼン、ジェームス・トンプソンなど、多くのドライバーがチームを変更し、新たな戦いの場を求めていました。さらに、メディ・ベナーニ、トム・ボードマン、マリン・チョーラック、ヴィト・ポスティリョーネといった新たなドライバーが、パートタイム参戦も含め、世界選手権にデビューを果たしています。一方、ピエール＝イヴェス・コルタル、イブラヒム・オキアイ、アンドレイ・ロマノフといったドライバーは、このシーズンをもって世界選手権から姿を消しました。

レーススケジュールも大きな注目を集めました。2008年10月に発表された暫定カレンダーはその後、何度か変更されました。特に、マラケシュでの新設コースでの開催や、ポルトでのレース復活などが話題となりました。また、FIAは11月5日に改訂版カレンダーを発表し、いくつかのレースの日程が変更されました。レース・オブ・ジャーマニーはF1ベルギーグランプリとの日程重複を避けるため、レース・オブ・ジャパンとレース・オブ・イタリアもそれぞれ日程変更が行われました。さらに、レース・オブ・イタリアは当初モンツァが予定されていましたが、最終的にイモラで開催されることになりました。

2009年の世界ツーリングカー選手権は、激しいドライバー争い、チーム間の熾烈なタイトル争い、そしてスケジュール変更など、多くのドラマが凝縮されたシーズンでした。セアトの勝利、そして数々のドライバー、チームの活躍は、この年の世界ツーリングカー選手権を記憶に残るものにしました。

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