2010年アブダビグランプリ

2010年アブダビグランプリの詳細解説

2010年11月14日にヤス・マリーナ・サーキットで開催されたアブダビグランプリは、2010年F1世界選手権の最終戦として注目を浴びました。このレースでは、フェルナンド・アロンソ（フェラーリ）、マーク・ウェバー、セバスチャン・ベッテル（共にレッドブル）、ルイス・ハミルトン（マクラーレン）という4人のドライバーがタイトルを争いました。

レース前の状況

レース前、ドライバーズチャンピオンシップのポイントランキングは、アロンソが246点、ウェバーが238点、ベッテルが231点、ハミルトンが222点という激しい接戦が繰り広げられていました。アロンソが2位以内でフィニッシュすれば、自力でタイトルを獲得できる状況にあり、一方でウェバーとベッテルはアロンソの結果次第で逆転の可能性がありました。ハミルトンは優勝が必須とされ、その上でアロンソが無得点になるなどの厳しい条件が求められました。

特に、レッドブルチームのチームオーダーが注目されていました。もしウェバーが優勝した場合には、アロンソが3位以下でないとタイトルが確定できない状況となり、逆にベッテルが優勝すればアロンソは5位以下でないと優勝を逃すことになります。このように、チームオーダーの有無、そしてドライバー同士の協調が結果に大きく影響することが予想されました。

予選

予選は難しいコンディションで行われました。コースは元々滑りやすく、さらに前日の雨により路面状況が複雑化していました。スーパーソフトおよびミディアムタイヤが使用される中、レッドブルのベッテルが今季10度目のポールポジションを獲得。アロンソは3番手、ハミルトンが2番手、バトンが4番手という結果でした。ハミルトンはマッサの進路を妨害したとして審議対象に上がりましたが、ペナルティはなしとされました。

決勝レース

いよいよ決勝レースが現地時間17時にスタート。気温29度、路面温度33度という条件で、上位10台はいずれもスーパーソフトタイヤを装着していました。スタート時、ハミルトンが1コーナーでインを狙いますが、ベッテルが首位をキープ。アロンソはバトンに抜かれ、4位に後退しました。レース中にはミハエル・シューマッハがスピンし、セーフティーカーが導入されます。この間に早めのピットインが行われるドライバーも現れました。

レース再開後、ベッテルとハミルトンはトップ争いを展開し、アロンソはウェバーを後ろに従えながら4位を維持。タイヤのグレイニングが改善する中、両者はどのタイミングでピットインするかがレース結果を左右しました。最終的に、ベッテルが再浮上し、55周を走り切って優勝。ハミルトンが2位、バトンが3位、ルノー勢が4位、5位で入賞し、アロンソが7位、ウェバーが8位という結果で、タイトル争いの結果は意外な展開に。

結果と影響

このレースの結果、セバスチャン・ベッテルが256点で自身初のドライバーズチャンピオンを獲得。彼の23歳134日での戴冠は、ハミルトンが持つ史上最年少記録を更新するものでした。アロンソは252点で2位、ウェバーは242点で3位、ハミルトンが240点で続きました。この重要なレースは、ドライバー同士の駆け引きとチーム戦略の重要性を改めて浮き彫りにした一戦として記憶されています。

もう一度検索