2011年愛知県知事選挙

2011年愛知県知事選挙

2011年2月6日に行われた愛知県知事選挙は、現職の神田真秋が任期満了を迎えたため行われました。神田は自民党からの4選出馬要請を受けていたものの、前年9月に不出馬を表明し、知事としての3期12年の任期を終えることとなりました。このため、12年ぶりに県のトップが交代する重要な選挙となりました。

候補者の擁立

最初に候補者を決めたのは民主党で、党の衆議院議員・石田芳弘やIT企業の社長藤原洋などが候補に名前を挙げられました。しかし、最終的には愛知東邦大学の教授であった御園慎一郎が選ばれ、党から推薦されることになりました。その後、医師の薬師寺道代がみんなの党から立候補を表明しました。

一方、自民党は神田に出馬を要請しましたが、彼の不出馬の表明を受けて、急ぎ候補者を選定することになりました。最終的には重徳和彦が自民党の推薦を受けずに無所属で出馬を決断し、共産党からは土井敏彦が立候補しました。興味深いのは、自民党に所属する衆議院議員の大村秀章が、名古屋市長である河村たかしの強い要請に背中を押されて立候補を模索した点です。

大村の出馬について、自民党内では驚きの声が上がりましたが、彼は党に忠告されるものの離党し、独自に候補として選挙に臨むことを決心しました。この背景には、河村とのタッグを組むことで知事選に挑むという新たな戦略がありました。対して自民党は、党のルールに反する行為として大村を除名処分としました。

選挙の状況

選挙戦では、最終的に5名の候補者が立つこととなり、1951年以来60年ぶりの乱戦となりました。また、この選挙は東日本大震災発生前の最後の大型選挙としても知られています。名古屋市では、市長の河村が議会との対立から解散リコール運動を開始したため、市長選挙と合わせて住民投票も行われることとなりました。

投票と結果

選挙は2011年1月20日に告示され、投票日は2月6日です。
投票率は52.52%で、前回の52.11%をわずかに上回りました。候補者別の結果では、大村が各政党の支持を背景に当選し、重徳は大村に大差をつけられる結果となりました。特に民主党推薦の御園は、愛知県における『民主王国』のイメージを覆す惨敗を喫しました。

さらに、名古屋市長選においても河村が当選し、国政に対する不満が大村と河村のタッグを強く支持する形となりました。この選挙戦は、愛知県内の政治風土に大きな影響を与える結果となったのです。

最後に

この知事選は、単なる県のリーダーの交代以上の意味を持ち、様々な政党の動きや候補者間の競争がにぎやかな議論を生み出しました。この結果は、愛知県の今後の政治についても大いに影響を与えるものであり、後の選挙や議論の方向性を決定づける要素となったことでしょう。

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